A's編
第三十一話 裏 後(なのは、レイジングハート、リィンフォース、武装隊、すずか)
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ち落としている。ドラゴンスレイヤーの呼び名にふさわしく。まるで舞うように空を泳ぎながら、彼女の砲撃が空を彩るたびに十匹近くの竜が堕ちていく。
もっとも、それでも竜の数が減っているとは思えないのだが。元凶は、すぐ近くにあった。
時空管理局が長い間悩まされてきた闇の書だ。彼女が呼び続ける限り、竜たちは呼びかけに応えるだろう。
そう、そもそも、彼らの目的は闇の書だ。彼らはそれを封印するためにやってきた。長年、時空管理局を苦しめてきた闇の書をようやく封印できるのだ。もっとも、長年時空管理局を苦しめてきた闇の書だけあって、封印するためのステップも無茶なことこの上ないと思うのだが。
「クロノ執務官っ!!」
あまりに現実離れした光景に見とれていた彼の耳に、中年のやや焦ったような声が聞こえた。その声の持ち主に目を向けてみれば、彼は今回の作戦のために招聘された武装隊の小隊長の一人だった。そういえば、かの小隊長の一人娘はちょうど目の前のスクリーンに映っている少女ぐらいの年齢だったと思う。
彼が焦るのも、この先、何を口にするかも彼には理解できた。
「我々も―――」
「ダメだ」
出撃しましょう、と言いたかったのだろう。
確かにこれは予想外だ。闇の書を抑える役目を彼女に一任したのは聞いた。あとは暴走直前まで彼女に相手をしてもらい、暴走間際になって、武装局員が介入し、闇の書を封印する。それが封印プロセスだったはずだ。しかし、その相手に竜まで追加されるとは聞いていない。
予想外、だからこそ介入するべきだと小隊長の彼は言っている。だが、今回の作戦の現場責任者ともいえるクロノ執務官は、彼の要請を拒否した。
「しかしっ―――」
それでも食いつこうとする小隊長。彼からしてみれば、見ていられないのだろう、許せないのだろう。娘ほどの年齢の少女が戦っているのに、自分がのうのうと安全な場所で待機していることが。
ふと、周囲を見てみれば、彼と同じ気持ちなのか、険しい顔でうなずいていた。
そう、今回の作戦の武装局員は、ほとんどが穏健派の面々で構成されている。ならば、彼らが少女が戦っているのに安穏と待機していられるはずがない。たとえ、役に立たないとわかっていても、わずかでも少女の助けになるのであれば、彼らは戦場に駆けつけるだろう。それこそが、彼らがこの場にいる理由なのだから。
「ダメだ」
しかし、それがわかっていながらクロノは再度、彼の要請を拒否した。
「君たちがあの場に行ってどうする? あの数の竜を相手にできるとでも? 不可能だ」
事実だ。明白な事実だ。
海の武装局員は確かにレベルは高いだろう。それでも隊長のAAクラスが最高レベルだ。平均はAかBぐらいがせいぜい
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