A's編
第三十一話 裏 後(なのは、レイジングハート、リィンフォース、武装隊、すずか)
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「卑怯と言ってくれるなよ。私の騎士を奪ったのはそちらだ」
行け、と闇の書が腕を指揮棒のように振ったその瞬間から第二ラウンドの始まりを告げていた。
◇ ◇ ◇
「すげぇ………これが竜滅者≪ドラゴンスレイヤー≫……」
周囲にいた誰かが、モニターに映る少女の姿を見ながら信じられない、と言ったような感情を隠すこともなくつぶやいていた。しかしながら、その感想にも彼―――時空管理局武装隊の彼も同意だった。
竜―――それは、ある場所では架空の生物として扱われる存在ではあるが、次元世界には実在している。竜を神とあがめる部族もあり、また友として、共に歩むものとして助け合う部族もあるぐらいだ。
その力はまさしく生物の頂点に立つにふさわしいほどの力を持っている。最上級の力を持つ竜ともなれば、まさしく神の力を持っているといっても過言ではない。最下層の竜としてもそこら辺の魔導師が太刀打ちできるような存在ではない。
モニターに映っている竜も最下層ではないにしても、そこら辺の魔導師が太刀打ちできるような存在ではないことは明白だ。
だが、そんな竜たちがまるで射的の的になったかのように次々と撃ち落とされていく。撃ち落とすのは、彼の半分も生きていないであろう少女だ。彼女が桃色のデバイスを振るえば、一つの環状魔法陣から放たれた九条の砲撃が竜を貫く。それだけで、竜たちは一瞬で気絶し、海へと落ちていく。
本当にまるで、訓練用の射的をするがのごとく竜が堕ちていく。その光景を見るだけで彼の中の常識が覆されていくようだった。
彼とて噂では知っていた。今回の闇の書の魔力を蒐集するために竜から魔力を集めており、また、その竜を相手にしているのが、執務官ではなく、まだ年端もいかない少女だと。その姿を見てきた武装隊員によって彼女の実力は知られることになる。本来、狩る立場の竜を、逆に狩る魔導師―――竜滅者≪ドラゴンスレイヤー≫として。
彼も噂を半分程度しか信じていなかった。
せいぜい、武装局隊員の力を借りて狩っているのだろう。とどめをさしているだけでも十分すごいのだ。尾びれ背びれがついて大きくなったのだと。
だが、その姿は事実だった。彼女は一人で竜を狩っている。しかも、一度に複数の竜を。
―――信じられない。
それが彼の正直な感想だった。そして、同時にそれがこの場にいる全員の総意だろう。いや、少しだけ異なるとすれば、彼女に同行していたという半数ぐらいだろう。しかしながら、噂で聞いた話とは現状は全く異なるはずだ。
武装局員が引っ張ってきた竜を撃ち落とすのと、十数匹の竜に囲まれて撃ち落とすのでは難易度は段違いだろう。彼ならば、数秒もせずに落とされる自信がある。しかし、彼女は撃
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