A's編
第三十一話 裏 後(なのは、レイジングハート、リィンフォース、武装隊、すずか)
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グハートは手元にある実行ファイルを起動した。
―――使えない、と評した守護騎士を改修するための実行ファイルを。
『Install start―――』
変化は如実に表れた。
今まで闇の書を攻撃していた―――それが無駄だとわかっていても彼らが守護騎士である以上、攻撃の手を休めることはない―――手を止める。そして、一瞬怪訝な表情をしたかと思うと同時に彼らは呻く。
苦痛を押し殺したようなうめき声。それぞれが異なるとはいえ、額に脂汗までかいている以上、その苦痛は筆舌にしがたいものがあるだろう。守護騎士の将を自負しているシグナムでさえそれなのだ。彼らが感じている苦痛がいかほどか想像もつかない。
だが、それでもレイジングハートは改修実行ファイルのプロセスをやめない。
『First phase ……… clear. Next second phase start. ……Secure memory. Set up Jewel Seed. ………』
レイジングハートからしてみれば、彼らはしょせんプログラムなのだ。プログラムが使い物にならないことを理解して、改良することを躊躇するシステム屋がどこにいるだろうか。たとえ、彼らからしてみれば、体の中を麻酔なしに弄られているものと変わらないとしても、彼らがプログラムであると認識している以上、レイジングハートの手が止まることはなかった。
彼らの苦痛の時間がどれだけだっただろうか。急に痛みに襲われた彼らからしてみれば、一分が一時間にも感じたかもしれない。正確には三分四十三秒だが。それだけの時間、苦痛に耐えた彼らは間違いなく変わっていた。纏う空気も、彼らから感じられる魔力も。
外見上の変化はほとんどない。だが、そこから感じる威圧感などは全くことなるのだ。その変化に今まで気にせずなのはを攻めていた闇の書さえ手を止めて彼らの変化を見る。何が変わったのだろうか、と守護騎士たちを上から下まで見る闇の書。
彼女の視線はただ守護騎士たちのある一点を見て止まる。
シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ。彼らの変化は纏う空気、彼らから感じられる魔力だけではない。外見上の変化はほとんどないと称したが、ただ一点のみ異なる点があった。それは、彼らの胸元に爛々と輝く蒼い宝石。埋め込まれたように輝くそれだけが、彼らの唯一の変化といえた。
それは、四月に海鳴を人知れず事件に巻き込んだロストロギアと呼ばれる古代の遺物。レイジングハートはそれを20個所持している。15個は使い道がある。主を護るために、主の願いをかなえるための力を得るために。しかし、残りは使い道がなかった。もてあますだけの代物。ゆえに、今回のことで使っても全く問題なかった。いや、むしろ主であるなのはの力になる
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