第一物語・後半-日来独立編-
第六十五章 強くあるために《1》
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は足から顔にまで伸び、内から力が溢れ出る感覚が外に放たれた。
「ウア゛――――――!!」
呼応して麒麟の全身が黒く染まる。不気味に光る黄色の眼。吐き出すのは黒き吐息だ。
誰にでも感じる負の力。
まるで全てを破壊せんとする力の化身。
押されている。
竜神が軽々と、風に吹かれる木の葉のようだ。
麒麟が数歩突き進むと当時に、全く何もなかった空間から腕が現れた。巨大な腕だ。
禍々しい天魔の腕。
竜神の横から打撃を入れ、反対の腕からも一撃を加えられる。
身体が曲がり、鳴く竜神。
最後に麒麟は後ろ足のみで地を踏み、前足を高く空に向けて上げた。甲高く鳴き、竜神の頭部目掛けて勢いよく前足を振り下ろし止めを刺す。
巨体に似合わぬ速度で振り下ろされた足は的確に竜神の頭部にぶち当たり、鳴く暇も与えずに竜神を地に踏み付けた。
地響きと共に、
「ごめんなさい、竜神……」
竜神が流魔と散った。足で虫を潰すようにいとも簡単に。
それにしては奏鳴は至って冷静だった。
辰ノ大花の者達や日来の者達が動揺を隠せないなか、今度は天魔の腕が奏鳴の上空に移動した。
奏鳴にも止めを刺すため。
距離は短いままだ。長さ的にも時間的にも、間も無くして来た。
手を握った天魔の腕。
殺す。まさにそれをやろうとして。
「――潰せ」
何かを確信した央信が言う。
言われ、天魔はそれを実行した。
吹いた風などお構い無しに、下ろされる腕の下にいる奏鳴は動かない。同じくセーランも。
何故? 全ての者はこう思ったに違いない。
二人には解っていた。
こうなることを。信じていたのかもしれないが。
蒼天に現れた、雄々しき竜神。
先程のとは違う。先程までのは現実空間にて、宿り主である奏鳴との干渉を強めるために現れた。が、今回は別だ。
敵を負かすために現れたのだ。
竜神は現れるや否や天高く咆哮し、振り下ろされる拳が爆散した。
穢れた存在を受け入れないかの如く、唸りを上げて竜神は睨む。
麒麟を。
央信を。
宿り主である奏鳴の意志が伝わり、暴れることなく竜神は同調している。
今や竜神が奏鳴に使役させられている。
竜神にとっては苦痛であると同時に、彼女の力が感じられた瞬間であった。
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