第三章
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じたのだ。そうしてだった。
「真面目に野球をしようか」
「そうやな。それでわし等もな」
「優勝できるかもな」
「ひょっとしたらな」
近鉄は伸び悩んでいるチームだった。優勝は遠いと誰もが思っていた。それは他ならぬ彼等自身が一番思っているtことだった。それでだった。
練習も気が抜けていた。西本はそこに喝を入れたのだ。それによってだ。
彼等は真剣に練習に、野球に向き合う様になっていた。その中でだ。
梨田昌考、栗橋茂、羽田耕一、佐々木恭介といった若手が台頭していった。そしてだ。
エースであり看板選手である鈴木にもだ。西本は向かい合ったのだ。
鈴木にだ。西本は何かあると口を出した。それに対してだ。
鈴木は最初だ。怒りと苛立ちを覚えた。そしてだ。
「わしにはわしのやり方があります」
こう言ったのである。そのうえだ。
衝突が重なり遂にだ。フロントに直訴したのである。
「あの監督の下ではやれません」
「おい、まさかと思うが」
「近鉄を出るというのか?」
「阪神か何処かに行かせて下さい」
こうフロントに言ったのである。
「そこで野球します」
こうまで言った。しかしだ。
このトレードの話は消えた。フロントが彼を必死で引き止めたのだ。しかしだ。
鈴木の西本へのわだかまりは残った。しかしそれはだ。
昭和五十年の後期優勝の時にだ。彼はこれまでの低迷から脱却し思いも寄らぬ活躍ができ胴上げを見た。そこでわかったのである。
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