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それぞれの白球
加持編 血と汗の茶色い青春
第三話 代替わり
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ていた。

「はい、体力だけには自信があります。それ以外は、足りない所だらけでありますが…」
「ふむふむ、そうですね…もう少し横のバウンドに対しては、体を内側に入れる意識を持った方が良いですね。今は体に当たってはいますけど、横に弾いてしまってます。ベースの上に落とさなければ、ボールブロッキングとは言えませんから…」

俺のポジションはキャッチャーで、この時にポジションの先輩でもある鷹匠さんにショートバウンドのキャッチングを教えてもらった。
丁寧で、言葉がとても分かりやすかったのをよく覚えている。
鷹匠さんにはそれ以降、何度もご指導頂いた。
尊敬できる先輩。
俺にとってのそれは、紛れもなく鷹匠さんだった。



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代替わりして以降、ブルペンに入る事も増えた。
そして何故か白神は、俺をブルペン捕手によく指名してきた。

1年の俺がこの秋からレギュラーになんてなる訳がないのは、未だにサブグランドで練習させられていて、1軍の立派な球場にお呼びがかからない事からも明らかだった。

なのに、白神は俺を指名してきた。
正直、こいつの球を捕る自信なんて無いから、俺にとっちゃ良い迷惑なのだが。
理由を尋ねると笑顔で

「え〜?うん、亮司相手だとショートバウンド投げやすいんだよね〜」

などと言われたが、本当にたまらない。
ストレートはあり得ないほどの威力で、ミットが左手ごと持っていかれそうにもなるし、決め球の縦スライダーなんて、落ちながら速くなってるような、バケモノみたいな球だった。
鷹匠さんに教えられたように止めに行っても、最初は全くもって前に止まらない。

そんな情けない俺に機嫌を悪くすることもなく、白神はニコニコしていた。


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俺の初めてのベンチ入りは、秋季大会後の市大会。ミニマムな大会で、どこの高校も普段ベンチに入らないような連中のお試し期間に設定している。

正直、二軍の上位20人に残れるかもギリギリの所だったが、やっとこさ背番号20を貰えたのは、やっぱり俺の体がそれなりに大きく、ガタイの分だけプレーを多目に見てくれたからだろう。

ま、殆ど試合に出られず、俺としちゃ別に是礼に特別な思い入れがあった訳でもないから、「是礼の試合着に袖を通すこと」にめちゃくちゃ感慨が湧いたりもしなかった。

この市大会でベンチにも入れなかった2年生は、「用済み」の烙印を押されたのも同然。1年も、一般入試組は殆ど市大会でもベンチ外で、今後の運命を暗示していた。

日に日にプライドを傷つけられ、夢を失い、死んだような目になっていく彼らを見るのは、少し辛かった。



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是礼の一軍はこ
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