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立派な人
第一章
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話になった。
「監督が前に出るものやないんや」
「だからですか」
「そう仰るんですか」
「ただ。負けたらわしの責任や」
 西本は責任についてはこう言うのだった。
「わしが指揮を執るんやからな」
「それ考えると厄介な仕事ですね、監督も」
「それもかなり」
 こんな話をだ。西本は優勝後にしていた。そうしてだった。
 シリーズに向かう。しかしそのシリーズは魔術師と言われた三原脩の前に一敗地に塗れた。それに激怒した永田によってだった。
 西本は監督を解任された。しかしそのことに一言も言わずだ。彼はチームを去った。オーナーである永田の怒りはとにかく凄まじかった。

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