第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第19話 不死鳥のくせになまいきだ
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俺はいま、絶望を味わっている。
少し前まで、女と切り結んでいた木場は、地に伏せ、子猫は部長の守りで手いっぱいだ。
残る前衛は俺だけだが、目の前の男が自由な行動を許してくれない。
さきほどから、拳と拳の応酬が続くが、相手は明らかに手を抜いている。
(時間稼ぎのつもりか)
俺が未熟者だというのは重々承知している。
だがしかし、こうまで手玉に取られると、悔しさがこみあげてくる。
ズガッドドンッッ
轟音が響き、視線だけ向けると、子猫が鈍器で吹き飛ばされていた。
思わず気を取られた一瞬の空白を見逃すような相手ではなった。
「ぐうっ!?」
肺から息を絞りだすような声をだして、宙を舞う。
腹部に右ストレートが、きれいに決まっていたと理解したのは、地面に叩きつけられた後だった。
(すまない……部長、先輩、みんな)
涙で滲む視界には、身を守る盾たちを失い攻撃にさらされるリアス、朱乃とアーシアの姿が映る。
三人をめがけて魔力弾が飛んでいくが、何もできない。
「リアスッ!だめええええええええええええ!!」
爆音が響く。土煙が上がり、何が起きたか外からではわからない。
朱乃の絶叫を聞きながら、俺の意識はフェードアウトしていった。
◆
兵藤一誠が、男と撃ちあっていたころ――
「アーシア!祐斗の治療をお願いッ!」
リアス・グレモリーは、窮地に立たされていた。
騎士の木場祐斗は、女剣士に斬られ、塔城子猫が、二人の敵を抑えている。
どちらが、優勢かは明らかだった。
「いまいきますっ――きゃあっ!?」
「アーシア!」
姫島朱乃の放った魔力弾を目くらましに、木場祐斗の治療に向かうアーシア・アルジェント。
しかし、現場につこうとする寸前、何者かの攻撃を受け、力なく倒れる。
(どういうこと。敵は全て抑えていたはず……!?)
思考に耽る間も、攻撃の手を緩めないリアスは、さすがと言えた。
アーシアの援護を諦め、2対1で、劣勢に立たされている子猫の援護を行う。
既に、朱乃が子猫に向けて魔力弾をばらまいており――
「リアスッ!だめええええええええええええ!!」
朱乃の叫び声を最後に、意識を失った。
――――この日、グレモリー眷属は、全滅した
◇
「話にならんな」
皆が固唾をのむ中、シグナムが辛辣な一言を告げた。
今、ボクたちは、さきほどの『模擬戦』の反省会を行っている。
事の起こりは、「強化合宿」を行うために、グレモリー家所有の別荘についてからの会話だった。
強化合宿自体は、
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