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『八神はやて』は舞い降りた
第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第19話 不死鳥のくせになまいきだ
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 俺はいま、絶望を味わっている。

 少し前まで、女と切り結んでいた木場は、地に伏せ、子猫は部長の守りで手いっぱいだ。
 残る前衛は俺だけだが、目の前の男が自由な行動を許してくれない。
 さきほどから、拳と拳の応酬が続くが、相手は明らかに手を抜いている。


(時間稼ぎのつもりか)


 俺が未熟者だというのは重々承知している。
 だがしかし、こうまで手玉に取られると、悔しさがこみあげてくる。
 

 ズガッドドンッッ

 
 轟音が響き、視線だけ向けると、子猫が鈍器で吹き飛ばされていた。
 思わず気を取られた一瞬の空白を見逃すような相手ではなった。


「ぐうっ!?」


 肺から息を絞りだすような声をだして、宙を舞う。
 腹部に右ストレートが、きれいに決まっていたと理解したのは、地面に叩きつけられた後だった。


(すまない……部長、先輩、みんな)


 涙で滲む視界には、身を守る盾たちを失い攻撃にさらされるリアス、朱乃とアーシアの姿が映る。
 三人をめがけて魔力弾が飛んでいくが、何もできない。
 

「リアスッ!だめええええええええええええ!!」

 
 爆音が響く。土煙が上がり、何が起きたか外からではわからない。
 朱乃の絶叫を聞きながら、俺の意識はフェードアウトしていった。





 兵藤一誠が、男と撃ちあっていたころ――

「アーシア!祐斗の治療をお願いッ!」

 リアス・グレモリーは、窮地に立たされていた。
 騎士の木場祐斗は、女剣士に斬られ、塔城子猫が、二人の敵を抑えている。
 どちらが、優勢かは明らかだった。


「いまいきますっ――きゃあっ!?」
「アーシア!」


 姫島朱乃の放った魔力弾を目くらましに、木場祐斗の治療に向かうアーシア・アルジェント。
 しかし、現場につこうとする寸前、何者かの攻撃を受け、力なく倒れる。


(どういうこと。敵は全て抑えていたはず……!?)


 思考に耽る間も、攻撃の手を緩めないリアスは、さすがと言えた。
 アーシアの援護を諦め、2対1で、劣勢に立たされている子猫の援護を行う。
 既に、朱乃が子猫に向けて魔力弾をばらまいており――


「リアスッ!だめええええええええええええ!!」


 朱乃の叫び声を最後に、意識を失った。


――――この日、グレモリー眷属は、全滅した





「話にならんな」


 皆が固唾をのむ中、シグナムが辛辣な一言を告げた。
 今、ボクたちは、さきほどの『模擬戦』の反省会を行っている。
 事の起こりは、「強化合宿」を行うために、グレモリー家所有の別荘についてからの会話だった。
 強化合宿自体は、
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