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鉄槌と清風
6部分:6:良彦の魔法
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 「はいはーい、それじゃ、模擬戦用のスフィアだすよー」

 それに答えて、何個かの小型スフィアが壁から出現。

 「いくぞ、ゼピュロスっ!」

 『了解、マスター』

 一気に近づき、風を纏った拳に捻りを加え、撃ちぬき…

 「風速加速!」

 『了解』

 次のスフィアでは、手の甲に合ったスリットから、目に見える勢いで風が噴射され、速度と威力を一気に引き上げた一撃…

 「『貫き!』」

 『了解』

 そして、全身に風を纏い…一瞬の超加速、進路上に居た小型スフィアを風圧で弾き飛ばす。

 「クロノ、攻撃もさせてみてくれ、なんか、できそうなことがあるっぽい」

 「わかった、エイミィ最低出力で、攻撃を」

 「りょうかーい、落とされた分をついかして、出力は最低で攻撃設定」

 小型スフィアが、白い光に薄くつつまれ、攻撃位置をとり、射撃を開始する。

 「………『凪』」

 『了解…領域設定、空間把握開始、領域内魔力把握、領域内風速、風圧制御』

 言葉と共に、良彦の周りが魔力、風の流れ共に停止する…端から見ればそこに突然薄い青の光でできた球形の物体が現れたかのような感じで。
 スフィアの攻撃が、青い球体との境界を越えた瞬間、その動きが何かに邪魔されたように遅くなり…良彦の風と青い魔力でできた小さな魔法陣…恐らくは魔力分散か破壊の効果を持つ…につつまれた拳で打ち消される。
 何発か間に合わない物は、動きが遅くなっている間にかわされ、通り過ぎて行く。

 「…せっ!」

 一度目の攻撃が終わった後、一瞬で距離をつめ、幾つかの小型スフィアを殴り壊し…二度目の攻撃も先ほどの焼き増しのように、攻撃を打ち落としかわし、距離をつめ、撃ち落とすの連続で、数回繰り返した後。
 スフィアは全て打ち落とされている。

 「うぁー、つかれた」

 言葉と共に、クロノとなのはのいる場所に戻ってきて、着地…一寸汗をかき、少し息が荒い。

 「すごいね、よしくん…でも、殴って全部落としたのは何で?」

 「…いや、遠距離攻撃も多分あるけど、此処じゃ、というか、普段は使えない感じだったんだ…んで、それ自体は一種類しかなくて、後は殴るか、精々蹴るか、突っ込むか、しかなかった」

 さらっとある意味での重要部分を言ってしまう良彦と、そっかー、と、それを簡単に納得するなのは。
 一方で…

 「エイミィ、さっきの凪というのは、解析できたか?」

 「あぁ、うん…えっとね」

 エイミィの説明曰く…ある程度の空間の魔力と風を押しとどめ、そこに入ってきた攻撃や物にたいし、魔力攻撃なら魔力でしばり相殺し、実体弾なら風で縛り、動きを遅くさせるもの、らしい。

 「で、その後
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