日常編 その2。
それでも あたしが・・・
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をしのんで頼んでいるんだ!この私がっ!いいから金を渡すんだっ!」
頼みというより、命令に近い言葉。
その理不尽な怒りを、ルーシィは知っていた。
昔から・・・幼い頃から向けられてきた命令似の怒り。
「何言ってるのか・・・わからない」
ルーシィにはそう呟くのが限界だった。
「お前という奴は・・・親のいう事が・・・!」
「帰って!」
ジュードの怒りを遮るように、ルーシィは右腕を強く横に伸ばした。
その行動にジュードは少し小刻みに震え、「チッ」と舌打ちを残して去っていく。
ルーシィの体は震え、右腕を降ろす。
「サイテー。サイテーだよ」
俯いたルーシィの目からは、涙が零れていた。
1から出直すと言った父親が、自分に金を要求してきた。
それを聞いた瞬間、ルーシィは失望だけを感じ、怒りを覚えた。
「・・・」
そんなルーシィを見たルーは、ジュードが去っていった方向を見つめる。
「・・・僕、言ったよね?ルーシィを泣かせるなら、生かしてはおけないって」
その目に映るのは闘志と殺意。
愛らしい子犬は姿を消し、凶暴で凶悪な狼が姿を現す。
残酷で冷酷な光を映したルーは、ただ一言、小さく言い放つ。
「もう忠告はした・・・それでも泣かせるって事は、どうなってもいいんだよね?」
次の日。
「ルーシィ、ルー!仕事行くぞーっ!」
「行くぞー!」
何も知らないナツとハッピーは変わらず元気良くルーシィとルーを呼ぶ。
「あ・・・うん・・・」
「・・・僕も?」
「ルー、昨日言ったろ?明日はナツ達と仕事だって」
「そう・・・だったね」
ナツやハッピーとは対照的に、ルーシィとルーに元気はない。
「で・・・何の仕事行くの?」
「決めてねぇ」
ノープラン過ぎる会話をする2人に、グレイが1枚の依頼書を見せる。
「これだ。脱獄囚ベルベノの捕獲」
「ベルべノってあのギルド狩りのベルベノ!?居場所見つかったんだ」
「うおおおおっ!スゲェ魔法使うって奴だ、燃えるぜーーーっ!」
「アンタは年がら年中燃え盛ってるでしょうが」
超やる気を見せるナツにティアはやはり興味なさげに呟く。
余談だが、ティアは最近はチーム結成当初ほどチーム行動を断らなくなった。
もちろん相変わらずの孤独好きだが、仕事に誘えば8割は参加する。
残りの2割は趣味に没頭するか1人で仕事に行くかギルドに顔を出さないかのどれかだ。
「報酬は1人25万か。家賃が払えるな、ルーシィ」
「うん。約3か月分!頑張るよ」
エルザの言葉に笑顔で答えるルーシィ。
すると、そんなルーシィとルーにとある会話が聞こえてきた。
「オイ!『アカリファ』
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