日常編 その2。
それでも あたしが・・・
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取り出し、渡した。
「ここに移したよ」
紙に書かれた場所を見るルーシィの表情が辛そうに歪む。
それを横目で見たルーの手から銃が離れた。
「悲しいというより・・・笑えてしまうよ。あれだけの富が一瞬にして消えた。私の長年の功績が一夜にして無になった。家庭を犠牲にしてまで働いた私の金がだ!笑える!笑えるぞっ!あはははっ!」
自らの失敗を笑うジュード。
ルーシィの拳はぎゅっと握りしめられていた。
そんなルーシィとジュードの前に、スッとルーが右腕を伸ばし境界線を作る。
「ルー」
「それで、アンタは何をしに来たの?僕言ったよね?ルーシィを泣かせるなら、生かしてはおけないって」
その目に宿るのは絶対的な闘志と殺意。
彼は1度に多くの人に懐く事はしない。
ギルドのメンバーはみんな好きだが、彼が懐くのはティアとルーシィの2人だ(アルカは懐くとはちょっと違うらしい)。
そして懐いた人間の為なら、自らが罪に汚れようと構わない。
頭のいい子犬のように忠実で、時に狼のように牙を剥く。それがルーレギオス・シュトラスキーだ。
「娘の顔を見に・・・だよ、ルーシィ」
ルーの言葉にジュードは少し俯き、その顔に薄い笑みを浮かべる。
「何よ・・・今更・・・!それに妖精の尻尾には手を出さないでって言ったでしょ」
「今の私にそんな力はないよ。ただ・・・娘の顔を見に来ただけなんだ」
その言葉にルーシィは戸惑ったような信じられないと言いたげな表情をする。
「そんな顔をしないでくれ。今までの事は私が悪かった。ここに居座るつもりはない。私はこれから『アカリファ』の商業ギルドで仕事をするんだ。1から出直すんだよ」
「アカリファ?」
「マグノリアから西に行けばすぐ見える街だよ」
「そう・・・」
聴き慣れない街の名前に首を傾げるルーシィに、ルーが説明を入れる。
1から出直そうとする父親の言葉にルーシィは軽く俯き、笑みを浮かべた。
「それでな・・・ルーシィ」
が、ジュードの放った言葉は、一瞬にしてルーシィから笑みを消した。
「その為に金が必要なんだ」
ルーシィから表情が抜け落ちる。
その目は見開かれ、言葉は消えた。
「10万Jでいい。私に貸してくれないか?」
その言葉に、ルーシィは震えた。
「そ、そんな大金・・・ある訳ないじゃない」
「大金!?たかが10万Jだぞ!私の娘だ!それくらいはすぐに出せるだろっ!」
「たかが・・・って、10万Jだよ!?僕達庶民からしたら立派な大金だよ!」
「ルーの言う通りよ・・・何・・・言ってるの?」
ルーが目を見開き、驚愕しながら叫ぶ。
ルーシィは目を閉じ、顔を逸らした。
「金だよ!恥
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