暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
日常編 その2。
それでも あたしが・・・
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がついたルーは握った手を引く。

「やっぱり誰かに見られてたじゃないっ!」
「出来るだけ早く帰ろう。もし相手がルーシィの家知ってるようだったら、しばらくギルドか僕の家に隠れてればいいし」

小声で会話しながらルーシィとルーは歩調を速める。
それについていくプルーが辛そうだ。

「どうやら、偶然僕達を見てたわけじゃないみたいだね」

ルーの言葉に振り返ると、その人影はまだあった。
やはり2人をじーっと見つめている。

(ついてきてる!)

それに気付いたルーシィは更に歩調を速め、ルーは先導するように少し前を、手を繋いだまま早歩きする。

(ストーカーかしら、変質者かしら、人さらいかしらー!)
「でも自称イケメン奴隷商おじさんじゃないっぽいね」

ちらりと後ろを見たルーが呟く。
そして、その歩みを止めた。

「ちょっと、何で止まるの!?」
「いないよ」
「え?」

そう言われて振り返ると――――

「いない」
「何とか撒けたのかな」

それを見た2人が同時に安堵の溜息をついた瞬間――――――




「ルーシィ」




名前を呼ばれた。
その声は、当然ルーシィのものではなく、ルーのものではない。
プルーは喋れない。
ルーシィにぞわっと寒気が走った。

「きゃあああっ!やめてぇぇぇ!」
「誰だあああああっ!」

ルーシィの悲鳴にルーが今にも銃を抜かんばかりの勢いで振り返る。
そしてその人物は、バサッとフードを取った。





「私だ。パパだよ」





その人物を見たルーシィは目を見開いた。
伸びた金髪に髭、スーツは来ているがボロボロで、マントもボロボロ。

「うそ・・・え?ええ!?」
「この人・・・まさか!」

その男性の名は、ジュード・ハートフィリア。
ハートフィリア財閥の社長であり、ルーシィの父親。
そして・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)幽鬼の支配者(ファントムロード)の抗争の原因とも言える人物だ。

(お父様!?)

が、その姿からは財閥社長は想像出来ない。
どう考えても、かつての社長姿は消えてしまう。

「何でこんなトコに・・・てか・・・その格好、どうしたんですか?」

ルーシィの声や体が自然と小刻みに震える。
ルーは自分の左側に装備した銃に手を伸ばした。

「ハートフィリア鉄道は買収されてね・・・私は会社も家も・・・金も全て失った」
「そんな・・・!」
「私財を全て担保にしていたからね。全く・・・本気で経営をする者はバカを見る」

ルーの右手が銃に触れる。

「ちょ・・・ちょっと、家は!?あそこにはママのお墓が」

ルーシィの言葉にジュードはスッと1枚の紙を
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