日常編 その2。
それでも あたしが・・・
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を入れる。
「ま!いっか。帰って仕事の支度しよっ」
「明日の昼集合なー」
「オッケー!」
ルーシィはジャケットを着ると、バックを片手にギルドを出ていった。
「明日は楽しいお仕事の日〜♪何着ていこっかなー」
「プーン」
「ルーシィちゃん、危ねーぞ」
「ヘーキヘーキ」
石段の上を子供のように歩くルーシィに、運河を通る小舟から声がかかる。
どうやら週刊ソーサラーの取材で雑誌に載ったルーシィの名前を憶えてくれたらしい。
「気をつけて帰れよー」
「ありがとー」
とん、と石段を降り、小舟に乗る2人に手を振るルーシィ。
すると、後ろから足音が響いてきた。
「ルーシィ!」
「ルー、どうしたの?アンタの家こっちだっけ?」
とたとたと駆けてきたルーは帰宅途中なのかその手にバックを持っている。
そのバックも学生が持つようなものであり、初対面の人が見たらルーは学生にしか見えないだろう。
「ううん。僕の家はカルディア大聖堂近くの一軒家だよ。2階建ての」
「そ、そう・・・で、何でここにいるの?」
いらない2階建て情報にルーシィは戸惑いながらも問う。
カルディア大聖堂方面に行くならギルドからまっすぐ行った方が近道だろう。
「えっと・・・」
ルーシィの問いにルーは困ったように目線を逸らし、はにかんだ。
「ルーシィ、最近誰かに見られてるって言ってたから・・・何かあったら大変だなと思って。初めて会った時の自称イケメン奴隷商おじさんとかだったら厄介だし、家まで送ろうかな、と」
やはりボラを自称イケメン奴隷商おじさんと呼ぶ事はともかく、ルーはルーシィを家まで送りに来たらしい。
少し照れたように目を伏せると、ルーはルーシィの紋章の刻まれた右手をきゅっと握った。
「え、ちょ・・・」
「大丈夫だよ。変な奴は僕が成敗するからねっ!」
いや、そっちじゃなくて、と思いながらルーシィは自分の右手に目を向ける。
お嬢様育ちのルーシィには友達と呼べる人はいなかった。
当然恋人がいた事はなく、そもそもこうやって異性と手を繋いだ事も皆無に等しい。しかも、自分に好意を全開に向けてくる異性とは。
「・・・ルーシィ」
「な、何?」
握られた手を見て頬を染めていたルーシィに、ルーの真剣そのものの声が届く。
顔を上げるとルーの表情は声同様真剣そのものであり、そこにいつもの愛らしい子犬スマイルはない。
「後ろ」
「え?」
短く言われ、振り返る。
建物の陰に、ボロボロのフード付きマントを着た人影があった。
――――――ルーシィとルーを、じとーっと見つめている。
「!」
「行こう!」
その姿を見つけたルーシィがビクッと震えた事に気
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