第二章
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げたのじゃよ」
「えっ、二年連続で、ですか」
「三十勝をですか」
「そうじゃ。凄いじゃろう」
「そんな凄いことをしたんですか」
「権藤さんは現役時代に」
二人は目を丸くさせ呆然とした顔になり二人に応えた。そしてだ。
そのうえでだ、二人はこうも言ったのである。
「そんな凄い人だったんですね」
「只者じゃないとは思ってましたけれど」
「あんた達はまだ若いからその頃のことは知らんのじゃな」
昭和三十年代はもう遥かな過去のことだった。少なくとも二人は生まれてもいない。
だからそのことを知らないことはだ。老人も仕方ないとしたのだった。そしてそのうえでだ。老人は二人にだ。こう話したのだった。
「本当に昔はそうだったからのう」
「今では絶対に考えられないですよ」
「そんな。先発にリリーフにっていう連投は」
「確かに二年連続で三十勝は凄いですけれど」
「身体大丈夫ですか」
「そう。そこじゃ」
若い記者が身体のことを話すとだ。ここでだ。
老人は悲しい顔になりだ。こう二人に話した。
「連投連投じゃ。それではじゃ」
「肩か肘がおかしくなりません?」
「そんなことをすれば」
「権藤さんは肩を壊した」
まさにそうなったというのだ。何故そうなったかは言うまでもなかった。
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