暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
05.真祖の覚醒
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ンだ!」
声をあげて立ち上がる。他の学生たちの視線が彩斗に集まる。
「こんなところで大きな声を出してどうしたんですか、緒河先輩……?」
その聞き覚えのある声に振り向く。
そこには、夕日を背にした雪菜が立っていた。
「姫柊、どうしてここに?」
「わたしは、暁先輩の監視役ですから」
彩斗の言葉にいつもの冷静な口調で告げる。
古城の顔を見ると勘弁してくれというような顔の中に少し嬉しそうな顔を浮かべる。
「そういえば、身体は大丈夫だったのか?」
「身体? なんのことですか?」
彩斗はニヤッと口元を少し歪めてなにか仕返しでもするかのように声を出す。
「ほら、古城が姫柊の血を吸ったことだよ」
すると雪菜の頬は、突然爆発したように赤く染まった。
二人はしばしの沈黙ののちに口を開く。
「すまなかったな、姫柊。痛い思いもさせて」
「大丈夫です。あのときは少し血が出ただけで、先輩に吸われた痕も、もう消えかけてますし」
雪菜は自分の首筋に手を触れる。そこには、目立たないように小さな絆創膏が貼られている。
古城が凍りつくのがわかった。
それもそのはず。雪菜の背後の植え込みから、雪菜と同じ中等部の制服を着た女子生徒。長い髪を結い上げた、活発そうな雰囲気の少女。
「ふーん……古城君が、雪菜ちゃんのなにを吸ったって?」
低く怒りを圧し殺したような声で、少女が訊いてくる。
「な、凪沙? おまえ、どうしてここに……?」
「さっき購買部で浅葱ちゃんに会って、古城君と彩斗君が試験勉強してるっていうから、励ましてあげようと思ってきたんだけど。そしたら二人が、聞き捨てならない話をしてるみたいだったし。その話、もう少し詳しく聞かせて欲しいなあ、なんて」
暁凪沙が、攻撃的な笑顔を兄である古城にむけている。
「ま、待て、凪沙。おまえはたぶんなにか誤解をしていると思う。なあ、姫柊」
古城が必死に妹を制止しようとする。その隣で雪菜も首を縦に振る。
「ふーん、誤解? どこが誤解なのかな? 古城君が雪菜ちゃんの初めてを奪って痛い思いをさせておまけに体調を気遣っちゃったりしてる話のどこにどう誤解する要因が……?」
「だから、そのおまえの想像がもうなにもかも全部誤解なんだが……」
古城は途方にくれた表情を浮かべた。
「それよりも、浅葱に会ったんだろ。あいつは、どこに行ったんだ?」
話題を変えようとする古城はなるべく冷静に訊き返す。
しかし凪沙は、冷ややかな口調で答える。
「浅葱ちゃんなら、さっきからずっとあたしと一緒に古城君の話を聞いてたけど?」
「え?」
古城はようやく、凪沙の
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