暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
05.真祖の覚醒
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ルテが、かすかに悲しみをたたえた声で答えた。
 虹色の眷獣が輝く。

「そうあわてんじゃねぇよ。それに……まだ役者がそろてねぇからよ」

 オイスタッハは、その言葉に眉をひそめる。
 それと同時に声が響いた。

「まだ俺はあんたに借りがあるんだぜ、オッサン!」

 後方から現れたのは、全身に稲妻を包み込み、唇の隙間から、牙がのぞき、瞳は真紅に染まる第四真相──暁古城と銀色の槍を構えながら彼の隣に寄り添う獅子王機関の剣巫──姫柊雪菜だった。

「貴様……その能力は……」

 オイスタッハは表情を歪めた。

「さあ、始めようか、オッサン──ここから先は、第四真祖(オレ)戦争(ケンカ)だ」

 雷光をまとった右腕を掲げ、古城が吼える。

「いいえ、先輩。わたしたちの聖戦(ケンカ)、です──!」




 最初に仕掛けたのは、雪菜だった。
 銀の槍を構えた剣巫が、閃光のようま速度でアスタルテへと向かう。眷獣をまとった人工生命体(ホムンクルス)の少女が、人型の巨体を操って迎撃する。

 建物全体をも震わせるほどの拳撃。
 しかし雪菜は、その攻撃をしなやかに受け流した。
 雪霞狼──七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)神格振動波駆動術式(DOE)が、実体化した眷獣を寄せ付けず、逆に押し返す。
 だが、その眷獣も肉体に神格振動波をまとうことで、雪霞狼の斬撃を耐える。
 致命傷を与えるはずの雪霞狼の攻撃は、眷獣の肉体を浅く傷つけるがそれすらすぐに再生する。

 戦闘技術で勝る雪菜だが、相手を撃破できる攻撃力はない。
 一方、圧倒的な破壊力のアスタルテも、雪菜の体術と槍技に翻弄されて、彼女に触れることができない。
 だが、それが古城と雪菜の狙いだった。

「おおおおッ──!」

 青白い稲妻をまといながら、古城がオイスタッハに殴りかかる。
 雪菜がアスタルテを引きつけている間に、古城が、オイスタッハを倒す。それが古城たちが考えた作戦らしい。
 それを悟った彩斗は、古城の元へと走る。

「ぬぅん!」

 オイスタッハは、その巨体からは想像もできない敏捷さで古城をかわし、逆に戦斧で反撃してくる。戦斧の刃を魔力の塊をまとった彩斗の右の拳が激突。
 通常なら右腕ごと切断されるはずが魔力の塊をまとっているため重い戦斧を弾き返す。

「貴方には驚かされてばかりですが、その動きは浅はかな素人同然の動きですね、第四真祖、名もない吸血鬼!」

「同然じゃなくて、本当に素人なんだよ!」

 反論しながらも、古城と彩斗は加速する。たしかに古城と彩斗は武術の素人で、吸血鬼としてほぼ無能。だが、古城には、バスケで鍛えたフットワークは健在。相手のマークをかわして、ディフェンスの裏
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