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IS 龍咲桜子の虚実の日々
IS学園 入学初日 一
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象が薄れるというわけです。教室中の女子と、あと山田先生も驚きの声を上げて固まりました。
 目論見通りです。…………恥ずかしいですがここは我慢。一夏が驚きで硬直している間にここで畳み掛けます。

「あなたの知る龍咲桜華の性別は?」
「お、男」
「ええそうです。龍咲桜華は男です。戸籍上も男。染色体もXY。さらに言えば外見的特徴についてもあなたは見たことがありますね?」
「あ、ああ」
「で、これはなんですか?」

 ふにふに、と一夏の手ごとおっぱいをもみます。

「お、おっぱい」
「ええ、パットでもシリコンでもありません。血の通った天然ものです。温かいでしょう?」
「あ、ああ」
「私が女装をしている男だという発言、取り消していただけますね?」
「…………」
「ふむ、片手だけでは足りませんか? ではもう片方の手も――」
「いいかげんにっ――」
「あ」

 何か黒い影が……?

「――せんかぁぁぁっ!」
「あうっ!?」
「ぐぼぉっ!?」

 ――――大きな二連続の打撃音と共に、私の体と意識は吹っ飛ばされました。後から聞いた話では織斑先生の出席簿攻撃だったそうです。ブラコンの姉の前ではっちゃけ過ぎましたね。反省。
 ちなみに私の体を張った行動のおかげで、私は女性だとクラスに認識されました。……同時に痴女ではないかという噂も流れました。くすん。




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