第百六十六話 拉致被害者解放への道
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85年7月11日 午前10時
■イゼルローン回廊同盟側近傍 同盟軍イゼルローン方面警備艦隊 旗艦巡航艦アンダルシア
グレドウィン・スコット大佐
最近は以前のように帝国軍が積極的にイゼルローン要塞から出てこなくなって今までしょっちゅう続いていた小競り合いもまれにしか無くなり、パトロールも欠伸が出てくるようになったな。
欠伸をしながら娯楽室で部下と三次元チェスをしていると、後方支援参謀のラオ大尉が血相変えて部屋に入ってきた。
「司令!何をしているんですか!」
「大尉、五月蠅いぞ、今良い所なんだ、静かにできんのか」
全く、この大尉は五月蠅くて仕方が無いな、異動して貰いたいものだ。
「司令、三次元チェスなどしている場合では有りません。イゼルローン回廊より敵艦隊が急速に接近してきています」
「何!」
馬鹿な、敵は最近大人しくしていたんじゃないのか?何で俺の哨戒番の時に来るんだ!
「司令、早急に艦橋へ」
「ああ、判った」
何故だ、何故だ。
艦橋に入ろうとした時、当直以外の者達も慌てて狭い艦橋の入り口に殺到し中々中へ入れない。大尉が声を出し部下達を散らして通路を開けた。
艦橋に入ると、当直が慌てふためきながら、索敵をしていた。
「司令、帝国軍は凡そ100隻ほどで全て高速戦艦で構成されています」
作戦参謀のニコルスキー大尉が落ち着いた声で話しかけてくるが、こっちは巡航艦1隻と駆逐艦12隻しかいないのに何故そんなに落ち着いて居られるんだ!
「何故こんな至近距離まで発見できなかった!索敵士は何をしていた!」
阿呆の索敵士のせいでこのざまだ!
「敵艦隊が、レーダー透視もせずにいた為、隕石群だと見誤ったようです」
ラオが説明するが、俺にとっては怒りにしか成らない。
「何だと、貴官らたるんで居るぞ、軍法会議を覚悟しろ!」
艦橋の空気が俺を責めるようになるが、そんな事は関係無い、兎に角逃げるしかない!
「大尉、司令部へ連絡し急速離脱だ!」
そうだ逃げるしかない、俺は未だ死にたくない!
「既に連絡済みですが、相対速度の点で離脱は不可能かと」
他の連中に聞こえないようにニコルスキーが囁くが、それじゃ俺に死ねと言うのか!
俺は嫌だ、逃げるしかない!
「全艦急速反転最大戦速で転進せよ!」
そうだ逃げるんじゃない、転進だ転進だ!
「司令!敵艦隊増速あと10分もしないで射程距離に入ります!」
索敵士が余計な事を言う。
「憶測で物を言うな!」
逃げねば、逃げねば、そうだ此がある。
「第571駆逐隊に指令、『雷撃戦用意、後退したと見せかけ、敵が突っ込んできた瞬間にありったけのミサイルを叩きこめ』」
「司令、100対1
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