暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
恋スル☆舌下錠 その一
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ということもあり仲が良いらしい。
何とも微笑ましい光景だな。

俺がラウラの事を名前で呼んでいるのに違和感を感じる人間がいると思うが、それは夏休み終盤にパラダイムシフト的出来事とまではいかないが、ちょっとした出来事があり、それが原因である。
その出来事とは、俺がラウラに強引に話し合いの場を作らされた。
一夏の家での事を聞きたかったようだが、幸いその事は俺の血の滲むような努力と説得により、ラウラの考えているような事はないと理解してくれた。
その後に俺とラウラの間で話されたこと。
それは、なぜ一夏が私の嫁だと認めてくれないのかという事だった。
これには参った。
俺に解るわけがない。
まあでも、何となくわかる気もするがな。
ともかく、俺は最初の出会い方がまずかったんじゃないか? と無難と思える答えを返した。
なら、どんな出会い方なら良かったのかとラウラに聞かれたが、そんな事を聞かれても俺が解るわけなかろう。
そこで、架空物語でありそうな男女の出会いのシーンを教えた。
それが良かったのか、今に至っている。
それから何日か経って一夏から聞かされた話はこんな事だった。
食パンを口に加えたラウラが、

「遅刻! 遅刻!」

と叫びながら、俺に激突してきたと一夏に聞いた俺は、その光景を想像してしまい笑いを堪えるのに必死だった。
この話にはまだ続きがある。
ラウラが一夏目がけて空から降って来たこともあるらしい。
とは言っても生身ではなくIS装備でだが。
よくもまあ、一夏は怪我をしなかったもんだな。

こんな事を思い出していて、すかっかり食べるのを忘れていた昼食を、俺は箸でつまみ始める。
しばらくの間は皆で各国のデザートの話をしながら、和気あいあいとしていたが、一夏のISが燃費が悪いことから誰がペアを組むのが良いかの話が及んだ辺りから雲行きが怪しくなった。
嵐の到来を予感させるどころか、超大型ハリケーンが今にも食堂内で荒れ狂いそうだったので、俺は食べていたサバ味噌煮定食の残りを急いで口の中に詰め込むと、避難を開始すべく席を立ったが、またしても一足遅かったようだ。

「アーサー。アンタは誰が一夏のペアになるのがいいと思う?」

と鈴に問いを投げかけられた。
残りの女子四人の頭が一斉に動き出し、視線が俺に集中する。
ここはウォーターワールドのこともあり鈴に味方してやりたかったが、それをやると他の女子に角が立ちまくりだろう。
食器の乗ったトレイを持ったままの姿勢で俺は、

「一夏のペアなんだから俺が何を言っても参考にしかならないだろ? 自分の将来の嫁さんを決めるつもりで一夏が真剣に選ぶべきだよ」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ