第六話
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帝国と同盟の戦いは再び切って落とされた。
帝国軍の侵攻は宣戦布告の3日後にビッテンフェルト艦隊がフェザーン回廊を出立したことで始まる。
小規模な戦闘が始まったのは、ビッテンフェルト上級大将率いる1万5千隻の艦隊を、ビューフォート准将率いる1000隻にも満たない艦隊がゲリラ戦を仕掛けたことによってだった。この時すでにビッテンフェルト艦隊は同盟領深くに進行しており、この戦闘によりビッテンフェルト艦隊はビューフォートのかく乱により補給戦を遮断され、さらには本体との通信が取れなくなってしまう。
大規模な戦闘は同盟の造兵廠がある惑星ルジアーナで行われた。ルジアーナは惑星に分類されるものの小さく大気圏内航行が不能な同盟の艦艇を製造していたことを表すように、サイズとが小さく重力がほとんどなかった。先発したビッテンフェルトに続き第二陣として出発したミッターマイヤー艦隊は航路とは外れた惑星ルジアーナを目指すことになる。造兵廠は戦略上の意味でも無視できる施設でないことは間違いない。
ミッタマイヤーの行軍は素早い。フェザーンからルジアーナまで一ヶ月を要さず移動するのは高速艦で編成されたビッテンフェルト艦隊などを除いて普通ではない。その素早さをもって同盟軍が防衛線を作り上げる前に進行する。その目的は常識的に考えて正しいものだった。
ルジアーナは惑星に分類されるものの大気圏内航行が不能な同盟の艦艇を製造していたことを表すように、サイズとが小さく重力がほとんどなかった。防衛施設はとても多いとは言えず2万隻を数えるミッタマイヤー艦隊の前では風前の灯である。しかしルジアーナの中では長官のバウンスゴール中将以下将兵が脱出する手はずをせず、戦闘準備をしていた。
「帝国艦隊さらに接近」
レーダーとにらめっこしている兵士がそう告げルジアーナの司令室は緊張に包まれた。彼らが脱出しないのは玉砕するためではない。
「今日中に敵が来る。ヤン提督の予想通りだな。ここからも予想通りに行って欲しいものだ」
「敵有効射程までのこり10分、駐留艦隊出港を開始します」
2万隻の帝国軍に対し同盟軍駐留艦隊は僅かに5000隻。帝国軍にとまる理由は無くそのまま進軍を続ける。
「敵艦隊有効射程域に入りました」
ルジアーナとその駐留艦隊から第一射が放たれた。ほぼ同時に帝国艦隊からも第一射が行われる。結果は火を見るより明らかだ。ルジアーナの外壁は溶け、駐留艦隊は後退を始める。
「予定通りに行って欲しいものだ」
バウンスゴール中将が時計を眺めながら繰り返しそう言い、戦闘継続を指示する。
戦闘開始から10分、帝国が半包囲網を完成させつつあったとき状況は一変した。変化に気づいたのは帝国艦隊後方に配置されていた駆逐艦のオペレーターだった。惑星攻撃には、消費が激しい駆逐
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