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自由惑星同盟最高評議会議長ホアン・ルイ
第五話
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きない。結果彼は前の帝国軍の侵攻作戦の第一次ラグナロック作戦の時以上の激務を負う事となる。
 激務に追われたのはチュンを含めた事務処理を担当する者がほとんどで、前線を担当する者はあまり忙しそうではなかった。かといってやることがないのは事実でありまた実際に命を描ける可能性が高いのは前線を担当する方であるので非難されることは無かった。
 同盟政府からすれば宣戦布告が行われるとしたら帝国からではなく同盟からの方がいい。現状同盟政府がハイネセンで起きたヤンをめぐる争いに関する情報のほとんど市民に隠している。公にされているのはヤンが軍隊に復帰し無事であるということだけだ。帝国と同盟、どちらが行うにしろ宣戦布告と同時に大義名分として情報は公開される。帝国ならレンネンカンプが死んだ責任を問うとして、同盟なら内政干渉としてだ。レンネンカンプの死と内政干渉どちらを強調して伝えるかが違う。言った者勝ちだ。
 同盟にとっては宣戦布告と情報の公開は同時期になる。もし完全に情報を公開した場合同盟政府への非難があるだろうがそれと同時にレンネンカンプとそれを登用した帝国への反感も予想される。帝国への反感が死亡したレンネンカンプ個人に向かうかどうかは分からない。レンネンカンプが就いていた役職は高等弁務官であり、その役職は皇帝の代理として同盟政府と折衝・協議し、さらに同盟政府の諸会議を傍聴する資格を持つ。つまり制度的にレンネンカンプの勧告はそのまま皇帝の勧告ととられても不自然ではなくそしてレベロはそうとった。事実はレンネンカンプの独断とそれをオーベルシュタインが煽っただったがそれを知るものはいない。

  
  
 帝国、同盟両国民が情報に飢えていた。帝国の民衆はこれまでにかった皇帝の消極性に、同盟の市民は政府の情報の隠匿にそれぞれ不安を募らせていた。両国民に明確に答えが与えられたのは宇宙暦799年/新帝国暦1年 10月30日になる。
  自由惑星同盟首脳部は、帝国・同盟双方の補給や将兵の招集の準備、そして何とか保たれている同盟の求心力の限界を考えた結果宣戦布告をこれ以上先送りのできない決議した。
「同盟市民諸君、まず情報の開示を今日ここまで遅らせたことを謝罪させていだきたい。そして今この場で情報の開示とこれからの同盟の方針を述べさせていただく」
 そう前置きを置いたのち、同盟政府最高評議会議長ホアン・ルイによる演説は平日の昼間に行われた。
 帝国軍高等弁務官ヘルムート・レンネンカンプの要求と当時の同盟政府の決議。その結果として生じたレンネンカンプの死と、元最高評議会議長レベロの拘留、ヤン・ウェンリーの居場所。人々が待ち望んだ情報がすべて同盟により開示された。
 もちろんその情報をそのまま公開するほどホアンはで人ができていない。あくまで帝国政府の方が悪いと思わせるよう
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