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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八十四話 フェザーン謀略戦(その6)
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部に見せようと思うのです。私達はここで死ぬわけにはいかない」
「なるほど、確かにその方が話が早かろうな」
レムシャイド伯が顎に手をやって考えている。
「私の方はトリューニヒト国防委員長、シトレ元帥に連絡をとります。ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯に連絡を取っていただけませんか」
「もちろんだ。これだけの大事だ、あの二人に話さざるを得ん。しかし最高評議会議長、だったかな、彼ではないのか」
ヴァレンシュタイン提督が微かに苦笑を浮かべた。
「まあ議長よりもあの二人の方が良いでしょう、喰えませんし強かです」
「それは褒め言葉なのか」
「人間としてはクズですが指導者としては二重丸という意味です。人間としても指導者としてもクズよりはましでしょう」
「なるほど、褒めとらんな。あるいはそういう褒め言葉も有るという事か……。卿と一緒にいると勉強になるな、実に刺激的だ」
苦笑交じりのレムシャイド伯の言葉に皆が笑い出した。どうやらヴァレンシュタイン提督はサンフォード議長を信用していないらしい。二人の会話に皆が笑っているとその後の提督の言葉に今度は皆が驚いた。
「四人に一度に見せようと思います」
「一度にか!」
「前に話しましたが地球対策は帝国、同盟が協力する必要が有ります。見せた後でそのまま対策を話し合ってもらった方が良い」
「混乱せんかな……」
レムシャイド伯が危ぶんでいる。
「一度の方が良いと小官も思いますね。どちらかを先にすると後回しにされた方が顔を潰されたなどと騒ぐかもしれません」
「なるほど、有りそうだな……。一度の方が良いか」
レムシャイド伯が頷いている。貴族だけにその種の面子問題には敏感なのだろう。レムシャイド伯が頷くのを見てヴァレンシュタイン提督がミハマ中佐に通信の用意を命じた。
「ハイネセンはともかくオーディンは……」
「そちらはレムシャイド伯にお願いします」
「それと、この船は民間船です。ハイネセンまでは通信波が届きません、途中で中継してもらわないと……」
ミハマ中佐が困惑したような表情をしている。なるほど民間船では軍とは違いそこまで強力な通信装置は持っていない、この船も然り……。
「訓練中の艦隊に中継を頼みましょう。後で迎えに来るように頼みます、その時一緒にお願いしましょう」
「分かりました」
ミハマ中佐が席に座り通信の準備を始めた。
「こちらも中継してもらう必要が有るか、さて何処にするかな……」
「ガルミッシュ要塞は如何です」
「なるほど、良いだろう。やってみよう」
「それと通信は広域通信でお願いします。ミハマ中佐も」
提督の言葉にレムシャイド伯もミハマ中佐も訝しげな表情をした。二人だけではない、皆が訝しげな表情をしている。
「広域通信ともなれば部外者に
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