二章
報告×追っ手×保護
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くる。内容は竹中氏の確保だ」
「えっ!さっき戻ってきたばっかりなのにどうしてですか?」
「龍興が戻ってきたそうだ。さっき言った事が現実になったって事だ。俺は急いで行くんでお前らはここで待機だ。これで行くからな」
と言って空間からバイクを取り出してから乗って、メットを被った。急発進で行ったので煙を巻いたがまあいい。町の出口に向かってから急いで美濃に向かった。詩乃、生きていてくれよ。夜になった事で走っていた詩乃。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・・誤算、でした・・・・まさかこんなにも早く追っ手が掛かるとは・・・・このままでは不味いですね。・・・・ふふっ、でもこの清々しい気持ちは、極上の物です。私は間違った事をしていません。武士としての誇りを穢されたのならば、その恥を濯ぐ。それが武士。だけど・・・・ああ・・・・出来うることならば、己の才を天下に示したかった。いいえ、何を言ってるのです、竹中半兵衛。・・・・まだ諦めてはいけません。それにあの方の言葉を頼ってしまうなんて。今は少しでも遠くへ・・・・」
俺はバイクで美濃に着いたが、既に竹中氏はいなかった。だが俺は諦めない。こうなると思ってあの詩乃に発信器を付けておいたからだ。この反応だとあっちだな、確か竹中氏の在所は不破群の菩提城だから、ここから西方だったな。なら早い事だ、待っていろ詩乃!
一方竹中氏は追っ手に囲まれていた。
「竹中殿。あれ程大それた事をしでかしておいて、更に逃げようとするとは、何たる恥知らず。いやはや・・・・さすがは美濃の痩せ武士。風上から風に吹かれて、遥か風下に着地してしていらっしゃる」
「武士の風下に私が居るとしたら・・・・佞臣として主君に道を誤らせる武士は、私よりも更に風下にいる事でしょうね。滑稽極まりない事です」
「ちっ、へらず口を・・・・!」
「減らず口というのは、自分勝手な理屈を捏ねる、と言う意味。そう。斉藤飛騨殿の仰りようなどは、まさに減らず口と言えるでしょう」
「ふん。好きに宣うが宣しかろう。私は龍興様より上意を受けているんですから」
「上意ねえ。・・・・」
「そう。美濃国主で在らせられる斉藤龍興様からの上意です。竹中殿。お腹を召して頂くか、それともこの私に頸を刎ねられるか、好きな方をお選び頂きましょう」
「選べ、と?」
「ええ。選ばせてあげると言っているのです。何とお優しいお屋形様でしょう。龍興様は!」
「・・・・選べと、相手に選択させるとは、その上意は本当に龍興様からの上意なのでしょうか?上意とは即ち『かみのみこころ』。上のこころを下が選択するとなれば、それは既に上意ではなく、下意となりますが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ」
「あなたも室町に帳面を預ける正式
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