二章
潜入×帰宅
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あ周囲の人達に協力して全体の掌握をしてもいいが、果たして竹中氏本人はその気になるかどうか・・・・」
「その気はないでしょうね、きっと」
俺は声に出してたようで後ろを振り返ってみると少女がいた。歳はひよところ位か。
「こんにちは」
「こんにちは嬢ちゃん。で、名前は?」
「詩乃と申します」
「俺は一真と言う。よろしくな、詩乃。で、何で竹中氏はその気はないのだと思うのかい?」
「どうもこうも。竹中さんには野心がありません。多分、馬鹿な人達に馬鹿にされた事が我慢できなくなったんだと思います」
「ほう。ではその意趣返しで稲葉山城を乗っ取ったと・・・・そう言いたいのか?」
「難攻不落の城などと言うものは、この世には存在し得ません。敵は外だけであらず、内にもあり。と仰っていました」
まあ確かに難攻不落な城なんてないよなぁ。俺だったら空からのパラシュートで降りてそのまま本丸まで一直線だし。降下作戦でやった事あるけど、優秀な指揮官じゃないと出来ない事だしな。
「そういえば詩乃は竹中氏の事をよく知っているようだけど」
「はい。・・・・ちなみに貴方の事も存じ上げておりますよ」
ほう、俺の事をね。確かに俺の服装はこの時代とは違うけど、この嬢ちゃんは恐らく俺の考えた通りの人なんだと認識した。
「そうだ。最後になるが、もし竹中氏に会ったら伝言を頼めるかい?」
「伝言、ですか」
「そうだ。いつか必ずあなたを手に入れて見せるとね」
「・・・・・・・・・・・・・・っ!!」
反応からしてビンゴかな、一瞬だが前髪に隠れていた目が見えた。まあこの反応を見る限りこの嬢ちゃんは、竹中氏本人だと見た。
「ど、どうしてそのような事を?」
「主家の本拠地である稲葉山城を落城させると言う事をしたんだ。竹中氏はきっともう美濃にはいられないだろう。主に追われるか、世を捨てるか、きっとそうなると俺は思う。稲葉山城をいや織田を簡単に撃退させた位の頭脳を持っている君を欲しい事や、もし危なくなったら必ず助けに行くか君を攫って行くとも言おうか。この世を捨てる位なら俺がもらうと・・・・」
と言ったら動揺を隠せないでいたが、冷静になっていた。真正面に俺の思いをぶつけたからこうなった訳だが。
「わ、私は半兵衛殿ではありませんよ・・・・」
「分かってるさ、ただ伝言として竹中氏に伝えてほしい。では俺は失礼させてもらうよ。じゃあな」
俺が去った後なのだが、詩乃と呼ばれた少女はこう言っていた。というより盗聴器を仕掛けたからな。
「・・・・あれが、天人、織斑一真ですか。まさかあれ程の人物とは。ですが・・・・あんなに真っ直ぐな心で言われたのは生まれて初めてです。この・・・・胸のときめきはどうい
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