2:帰り道
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ーティーボーナス値もかなりのものらしく、討伐が終わった瞬間、幾重にも重ねられたレベルアップ音が同時に響いたという記録すらある。残りのパーティー員もレベルが上がらなかったにしても、呼ばれた場所に着き、一斉襲撃の一端の任に就くだけの安全かつ簡単な仕事で、大量の経験値を得られてさぞ喜んだことだろう。
ユニコーンの狩猟は八体目まで順調に続き、やや時間をおいて九体目の討伐記録も刻まれ、これを最後にパッタリ記録は止まっている。
そして今、最後の一体が発見されたという訳だ。狩られるのは時間の問題だろうが……奇しくも《死神事件》のおかげで、今はまだなんとか狩猟にまでは至っていないようだ。
「死神事件……死神。それに……大鎌か」
俺は装備を外してシャツとパンツだけになると、紙を枕元の柱にウィンドウから取り出したピックで留め、ベッドに寝転がる。
あれから《大鎌》習得者が全員死んだ原因について、色々三人で考えてみたが、結局何も分からなかった。当時の様子を分かるだけの詳細をエギルに聞くと、更に謎が深まったからである。ここからは、そのエギルが話した事になる。
曰く、貴重かつ強力なエクストラスキルの習得条件の解明や習得人数を確認する為、各地の有力者の名の下に《大鎌》習得者全員が大々的に第一層《はじまりの街》に召集されたという。習得者である合計十人の全てが、このスキルを習得して日が浅いと申し出た事も考慮し、街付近の極めて安全な敵を相手に各々スキル修練に励む予定だった。因みに、その場にエギルの情報提供者である情報屋、アルゴも居合わせていた。
そして、その初日。
――散り散りに出かけていった十人は幾ら待てども、一人として帰ってこなかった。
心配したアルゴがあらかじめ登録しておいたフレンドリストを見てみると、既に全員の名がグレー表示になっていたという。それを知った関係者達が、慌てて全てのプレイヤーの名前が書かれた碑を確認してみると、十人の名前全てに横線が刻まれていた。
死亡時刻はバラバラ、死亡箇所はそれぞれ全員がソロではあったが、揃って《はじまりの街》周辺で、極めて弱いモンスターしか出ない地域だ。
そしてなにより、碑に書かれた死亡原因を見た者達その全員が、その頭を悩ませた。
死因は二種類に分かれた。
一つは、該当者が三人と少ないが、街周辺に現れるレベル1程度のモンスター相手に《戦闘の敗北によるHP全損》したケース。
そして大多数の習得者が該当する、もう一つの死因は……何が原因か詳細が一切書かれていない《HP全損》とだけあるケースである。
この二つの死因には奇妙な謎が残る。
前者のケースは、習得者達は最低でもレベル40を超えるSAOの戦闘を充分に理解し、熟練した戦士達だったにも関わらず、雑魚中の雑魚……たとえ、
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