第163話 バトルパート
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
妖精の尻尾専用医務室。ここに妖精の尻尾の専門医であり、マスターの古くからの知人であり、極度の人間嫌いであり、アースランドとは並行世界のエドラスのウェンディの母親、天竜グランディーネであり、治癒魔道士でもあるポーリュシカと、医務室のベットに座らされ、ポーリュシカに大魔闘演舞オープニングゲーム『浮上板』で負った傷を手当てをしてもらっているショールがいた。
ポ「全く。妖精の尻尾の魔道士は皆無茶するから心配でありゃしないよ。」
ショ「スミマセン・・・」
ショールはポーリュシカさんに頭を下げる。
ポ「全く。少しは自分の体を大切にしな。」
文句を言いながらも、ポーリュシカは優しく、丁寧にショールの頭に包帯をくるくると巻いてゆく。その様子をショールは静かに、どこか懐かしそうな目で見つめていた。
ポ「・・・ほら、終わったよ。」
ショ「あ、ありがとうございます。」
ショールは礼を言うと、腕を回したり足を曲げたりする。幸いにも重症は負ったが、命に別状は無い。
ポ「その調子だと、明日ぐらいにはまた出場出来るかもしれないね。」
ショ「本当ですかぁっ!?よかったぁ〜。」
ショールは驚いた後、ほっと胸を撫で下ろす。その時、医務室のドアがガチャッと開き、エルザが入って来た。
エ「具合はどうだ?」
ショ「ポーリュシカさんの手当てのお陰で、明日にはまた出場出来るかもしれないんだ。」
エ「ほんとかっ!?どうやら心配は、無用だったみたいだな。」
さっきのショールと同じように、エルザは驚いた後、安心した表情を見せる。
ポ「出場するのは良いけど、あの死者の仮面っていうギルドには十分気をつけるんだよ。」
死者の仮面。『浮上板』でショールを散々痛めつけたギルドだ。
エ「もちろん、分かっています。」
エルザの目が鋭くなった。エルザの言葉を聞くと、ポーリュシカは医務室から出て行こうとした。
ショ「どこに行くんですか?」
ポ「あんたのせいで、用意しておいた傷薬が全部無くなっちゃったから買いに行くんだよ。全く。私は人間が嫌いだってのに・・・」
ショ「ス、スミマセン・・・」
ショールはまたポーリュシカさんに頭を下げた。ポーリュシカはそのまま黙って傷薬を買いに出掛けた。ポーリュシカが医務室から出て行くのを見届けると、エルザは口を開いた。
エ「ポーリュシカさんは「超」がつくほど極度の人間嫌いだが、何だかんだ言って妖精の尻尾の魔道士の手当てを快く引き受けてくれる優しい方だ。」
ショ「・・あぁ。すごく、温かい手だ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ