第27話 嵐の後は
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へ逃げるというのだ。九王国連合か?」
「いえ、私がお勧めするのは銀河帝国です」
「何!?」
「ロアキアと辺境を呑み込んだ銀河帝国は遠からずルフェールを呑み込み、最終的には九王国連合をもその手中に収めるでしょう。その時になってまた逃げ出すのですか? 今度は何処へ?」
「ううむ………」
「ならば今、銀河帝国に下った方が賢明と言えるでしょうな。もちろん、何らかの土産は用意せねばならないでしょうが。ああ、それとどうしても不動産を捨てきれないという方はここに残って銀河帝国と内通するという方法もありますな。どの選択をなさるかは皆様方次第です」
その後、彼らは男の提案について検討し始め、最終的にルフェールを切り捨てて銀河帝国へ寝返ることを決定した。
・・・・・
誰も居なくなった部屋、銀河帝国への寝返りを示唆した男は不敵に笑う。
その様子は、まるでこの場にいない人物たちを蔑んでいるようでもあった。
「はっ、この期に及んで保身しか頭に無いとは度し難い愚物共だな。だが、それはそれで僥倖だった。おかげで事がスムーズに運んだよ」
男は、既に銀河帝国に寝返り内通していたのである。
財産の保全と相応の地位を与える代わりに、ルフェール財界の有力者たちを帝国に誘致する。
それが、この男と銀河帝国との密約であった。
――宇宙暦813年/帝国暦504年 8月15日――
銀河帝国の辺境制圧によって嵐は止んだ。
だが、それは次に嵐が訪れるまでの幕間に過ぎなかった。
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