幻想曲
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る。
「ふいー、収穫祭も無事終了か。明日からは街の修復も手伝わんとな。やれやれ」
ファンシーな衣装を脱ぎながら、マカロフは呟く。
ガジルは松葉杖を鳴らし、近づいた。
「マスター」
「!」
顔を上げたマカロフに、1枚の紙を見せる。
「マスターイワンの・・・アンタの息子の居場所を突き止めた」
それを聞いたマカロフは渡された紙をしばらく見つめる。
「よくやってくれた。スマンな・・・危険な仕事を任せて」
「オレとシュランが『二重スパイ』だってのはバレてねえ。それより奴はラクサスの魔水晶を狙っている」
松葉杖を鳴らし、ガジルはマカロフに背を向けてその場を去る。
「居場所さえ分かればどうとでもなる。奴の好きにはさせん」
「どうぞ」
一方その頃、ギルドの外ではシュランがブローチを渡していた。
青い宝石のそれを受け取ったのは、同じ色合いの髪と瞳を持つ、クロス=T=カトレーン。
「態々すまないな・・・お前が二重スパイだと知って利用させてもらうとは」
「お気になさらず。もちろんイワン様に知られてはいませんわ。きちんと最初から最後まで録音済みです」
そう言われ、クロスはブローチを見つめ、宝石をいとも簡単に外す。
そこには小さい機械が装着されていた。
「にしても、どうしてそのような機械を貴方が?」
「仕事に応じて必要になるのさ。使うのは主に姉さんだが、姉さんに変身する際は俺も使う」
「なるほど」
シュランは軽く頷く。
「それでは、私はこれで」
「ありがとう。また世話になる事があると思うが、その時は頼む」
「了解です」
クロスの言葉にシュランはやはり恭しく頭を下げ、ギルドへと入っていった。
1人残ったクロスは宝石をはめ込んだブローチを見つめる。
「闇ギルド、大鴉の尻尾・・・」
その青い目には、怒りに似た感情が宿っていた。
「『あの女』がここにまで関わっているとしたら・・・大きな証拠になるな」
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