暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
幻想曲
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。
そしてナツは口から炎を吐く為に大きく息を吸い込み―――――――

「ぐはぁっ!」

炎と共に咳き込んだ。

「ナツ!お前!どーしたんだ、そのケガッ!」
「よ・・・よせって!くだくだじゃねーか!」
「あはははっ!」

口から炎を吹き、『FAIRY TAIL』の文字を造ろうとするナツ。
が、出来たのは『FAI』までであり、Rは辛うじて読める程度、その先は姿さえ表さなかった。

「ティアだ!海の閃光(ルス・メーア)が来たぞ!」
氷の女王(アイスクイーン)ー!」

ナツの後ろから現れたのは、ギルド最強の女問題児であるティア。
彼女は腕や脚を大きく露出した紅蓮の衣装に身を包み、熱いのが苦手だというのに炎に囲まれていた。
そして水へと変えた右腕を振るい、薙ぎ払った場所から水の花が咲く。

「・・・めんどくさ」

誰にも聞こえないような小さい声で言い放ち、その両手に水で構成された薄い布のようなものを持つ。
それを靡かせ、軽い足取りでティアは舞った。
水の花は炎を纏い、消えていく。

「マスターだ!」
「マスターが出てきたぞ!」
「!」

最後に登場したのはギルドマスターであるマカロフ。
ラクサスは小さく反応を示した。

「何か妙にファンシーだ」
「似合ってねぇ!」
「そのコミカルな動きやめてくれ」

登場したマカロフの姿は妙にファンシーで可愛らしく、フロートの上でチャカチャカと踊っていた。

「・・・」

そんなマカロフを遠くから見ていたラクサスは目を伏せる。
そして、幼き日のファンタジアを思い出していた。







「じーじ!今回は参加しないの!?ファンタジア」
「お前の晴れ舞台じゃ。客席で見させてもらうよ」
「じーじのトコ、見つけられるかなぁ」
「ワシの事などどうでもよいわ」

今のように収穫祭一色に彩られたマグノリア。
幼きラクサスと今より若い(でも見た目の違いはよく解らない)マカロフが会話していた。

「じゃあさ、オレ・・・パレードの最中、こうやるから!」

そう言うと、ラクサスはポーズをとった。
右腕を上げ、人差し指で天を指さし、左腕を肘で曲げたポーズ。

「何じゃそりゃ」
「メッセージ!」

不思議そうな表情をするマカロフにラクサスは言う。

「じーじのトコ見つけられなくても、オレはいつもじーじを見てるって証」
「ラクサス・・・」

孫の言葉にマカロフはじーんと感動する。
ラクサスは明るく、笑った。

「見ててな、じーじ」









幼き日の思い出を思いだし、ラクサスはマカロフの姿を見つめる。
楽しそうに、全身でその楽しさを表すかのように踊るマカロフから視線を外し、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ