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剣の丘に花は咲く 
第三章 始祖の祈祷書
第一話 蘇る者
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 トリステインの王宮は、当直の魔法衛士隊が王宮に入るための門の周りを見回り、王宮に入る者を一人一人チェックするなど、隣国アルビオンを滅ぼした貴族派『レコン・キスタ』がトリステインに侵攻してくるという噂のため、厳戒態勢の状態であった。
 そんな厳戒態勢の中、王宮の上空に一匹の風竜があらわれた。
 警備に当たっていた本日の魔法衛士隊のマンティコア隊は、色めき立つと、王宮の上空にあらわれた風竜目掛けて、マンティコアに騎乗し一斉に飛び上がった。
 
 風竜は口に巨大なモグラをくわえ、背中の上に6人の人を乗せて飛んでいる。
 それを確認したマンティコア隊の隊員たちは、ここが現在飛行禁止であることを大声で告げたが、警告を無視した風竜はそのまま王宮の中庭に着陸した。
 
 マンティコア隊の隊員達は、着陸した風竜を取り囲むと、瞬時に呪文を詠唱を唱えられる態勢をとる。
 すると、風竜を取り囲んでいる隊員たちの中からあらわれた、ごつい体にいかめしい髭面の隊長が、風竜の背に乗った者たちに大声で命令する。

「杖を捨てて降りてこい!」





 
「王宮」
「まっ、ここは王宮だからな、しかたない」

 隊長の命令を受けたルイズ達は、一瞬むっとした顔をしたが、タバサと士郎の言葉を受けると、仕方ないというように肩を竦め、杖を地面に投げ捨て、風竜から飛び降りた。
 
「今現在、王宮の上空は飛行禁止だ。ふれを知らんのか?」
 
 風竜から降りてきた者たちの中の一人、ルイズが髭面の隊長に向き直ると、毅然とした声で名乗った。

「わたしはラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです。怪しいものではありません。至急姫殿下にお取次ぎを願います」

 隊長はまじまじと少女を見つめると、手を叩いて頷いた。

「おおっ。ラ・ヴァリエール公爵さまの三女とな。ふ〜む、確かに目元が母君そっくりだ。それで? 姫殿下に取次とは、一体どういう事だね?」
「それは、言えません。密命ですので」

 ルイズの言葉に髭面の隊長は、訝しげな顔をすると首を振った。

「言えぬのであれば、ここは通すことはできんな。いくらヴァリエール公爵さまの娘であっても、このまま通せばこちらの首が飛んでしまうからな」
 
 困った声で言う隊長に、ルイズが隊長を説得しようと隊長に近寄ろうとすると、宮殿の入り口から、鮮やかな紫色のマントとローブを羽織ったアンリエッタがひょっこりと顔を出すと、中庭の真ん中で魔法衛士隊に囲まれたルイズの姿を見つけ、慌てて駆け寄っていく。
 
「ルイズ!」
 
 駆け寄ってくるアンリエッタの姿を見たルイズも、顔を輝かせるとアンリエッタに駆け寄っていった。
 
「姫さま!」
 
 二人は、魔法衛士隊と士郎たちが見守る中、ひ
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