第12話 東京武偵校へ。
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と感じている。
だから、思わず顔に出てしまう。
「…なに笑ってんのよ」
それ故にアリアに気付かれ、ジト目で睨まれる。
「いやなに。お前が俺の為に怒ってくれて嬉しいなと思ってさ」
挑発気味に笑って見せる。
「な、なななななに言ってんのよ!?ば、ばっかじゃないのあんた!?べ、べつにあたしはあんたの為に怒ってるんじゃな、なくて…っ!しゅ、出身とかに拘って正当な評価を下さない事にお、怒ってるんだからねっ!か、勘違いするんじゃないわよっ!?」
「……………」
余りにも余りにもな反応である。
こうまで見事にアレのテンプレ通りな反応を返されると、かえって非常に気恥ずかしい。
「はいはい。分かってるよ」
「ふんっ!今度おかしな事言ったら風穴空けるんだからっ!」
ぷりぷりしながらアリアは先に歩を進める。
ずんずんという擬音が似合う歩きっぷりに、今度はバレないように笑みを浮かべるクルトだった。
アリアが怒っていた理由は至極単純。
クルトの武偵ランクに関してだった。
クルトの実力はAランク武偵のモノではない。そもそもSランク武偵のアリアよりも上なのだから、当然だ。
では何故クルトがSランクではないのか。
それはクルトがゾルディック家の人間だからである。
もしかしたらクルトはゾルディック家が武偵に潜り込ませたスパイ、もしくはそれに近い存在なのではないか。
そう思っている者達が少なくない数存在しているのだ。
そんな連中からすれば、クルトがSランクという立場に登るのは面白くないのだろう。
だからその連中達はクルトの功績を認めず、Aランクに縛り続けている。
ランクそのものに余り興味のないクルトにとってはどうでも良い事なのだが、アリアはどうやらそれが気に入らないらしい。
(まあ、その気持ちは分かるし有り難いが…)
それに、アリアが怒っているのにはもう一つ理由がある。
それが、クルトをAランクに留めておく為の理由だ。
―――クルト=ゾルディックの功績のその殆どが神崎=H=アリアの尽力あってのものである。
と、いうものだ。
つまり、クルトとコンビを組んでいるのがアリアだからこそ、ここまでの実績や功績を得る事が出来た訳で、アリアがいなければクルトは唯の役立たずであるとしたのだ。
それを気にして、アリアは一度クルトにパートナー解消を提案した事もあった。
* * *
―――パートナー解消を提案した時。
「ね、ねえクルト。あたし達、パートナー解消したほうがいいんじゃ…」
「なんで?」
「だってあたしのせいであんたに迷惑かけてるし…(泣きそう)」
「…ばーか。俺はランクな
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