第12話 東京武偵校へ。
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いない。少なくともクルトとアリアは知らなかった。
話は少し変わるが、あの事件の後、アリアとクルトは己の力の未熟さを悔やんだ。
だから二人はお互いパートナーとしてヨーロッパ各地を周りながら、様々な依頼をこなしながら、その実力を磨く事を決心した。
結果、アリアとクルトのコンビはこの三年間で199連続で犯罪者を捕まえている。
故に二人は武偵の間ではかなりの有名人であった。
そんな二人は現在東京武偵校の教務部に来ていた。
「この度東京武偵校に転校してくる事になった神崎=H=アリアです」
「同じくクルト=ゾルディックです」
―――ゾルディック。
クルトがこの言葉を発した瞬間、教務部の空気がはっきり分かる程一変した。
だからどうしたという事はない。が、歴戦の猛者が集う武偵校の教員達すら分かり易い程反応してしまう程、「ゾルディック」という家名は凄まじい威力を誇るということなのだろう。
「え、えーと。ようこそ東京武偵校へ。歓迎します。私が貴方達の担任になる高天原ゆとりです」
ニコニコと笑顔でそう言う高天原先生。
クルトの家名に若干ビビってはいるものの、概ね好印象だ。
「「よろしくお願いします」」
アリアとクルトも揃って頭を下げる。
普段は好き勝手動き、ロンドン武偵局でも「問題児」扱いされてきた二人だが、最低限度の礼節くらいは弁えている。
それにアリアは普段からは想像の「そ」の字を見えないが、貴族だ。
まあ、職員室に行って、転校の挨拶等誰でも出来るのだが。
「よろしくお願いしますね。…所でお二人の所属学科は強襲科で良かったんですよね?」
「はい。問題ありません」
クルトが答える。
「失礼ですけどお二人のランクは」
そう問う高天原教諭。
恐らく既に知っているのだろうが、形式的に問うているだけだろう。
「俺がAランクで、アリアがSランクです」
クルトがスムーズに答える横で、アリアは僅かに眉間に皺を寄せる。
分かり易いアリアは、全身から「あたし怒ってるんだからねっ!」というオーラをこれでもかと放出する。
ちなみに念に関するオーラではない。一応。
「そ、そうですか。わざわざありがとうございます。それでは正式に転入する日、もう一度この場所に来て下さい」
もう一度二人は返事を返し、教務部を後にした。
廊下を歩きながら、アリアは未だ不機嫌なままだった。
「何怒ってんだよ」
「…別に」
クルトが尋ねてもこの調子だ。
勿論クルトにはアリアが怒っている理由が理解出来ていた。そして、それが自分を想っての事だというのも理解していた。
だからクルトは、少しだけ嬉しい
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