第12話 東京武偵校へ。
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ここは、東京の空港。
連日人でごった返すこの場所に、一組の男女がいた。男女と言っても、少年と少女の組み合わせで、二人の距離感から、一見して恋人同士のようにも見える。
しかし、少女の方は見た目が余りにも…その、何と言うか、幼すぎた。
どれだけ見積もっても小学生高学年が関の山である。
が、まあ、そんな事は些細な問題だった。
少女の最も特徴的な部分は、そのピンクの髪色だった。その年で不良とは、両親はどういった教育をしているのか。
そんな視線が周りから彼女に向けられる。
片や少年はどうか。
少年の身長は170半ば。服の上からでも鍛え上げられた肉体の凄さが感じ取れる。見た目から推察出来る年齢は、東洋人の感覚でいえば18、9歳くらいだろうか。
まあ、西洋の人間は実年齢よりも高く見られる事が多々あるので、実際の年齢はマイナス一歳くらいだろうか。
そして、この少年も年齢等はどうだっていいのだ。
彼の最も特徴的な部分は、その銀髪であった。
―――ああ、ヤンキー歳の差変態カップルか。
周りの日本人が一斉に、勝手に、そう判断して二人を見つめる。
「ねえクルト」
少女が少年…クルトに尋ねる。
この時点で声には相当なドスが効いており、彼女がどれ程怒っているのか嫌と言う程思い知らされる。
「なんだアリア」
クルトはこの後少女…アリアが何を言うのか分かりながらも一応尋ねる。
「周りの奴等に風穴開けてもいいかしら?」
「普通にダメに決まってんだろ。武偵資格剥奪されるぞ」
その止め方はどうかと思うが、アリアはそれで納得したのか、未だ青筋を立てながらも、渋々「…分かったわよ」と呟いた。
「周りの視線もウザいし、どこかに移動するわよ」
「あいよ。つっても何処に行くんだよ?」
「決まってんじゃない」
歩を止めて尋ねるクルトから五歩進み、止まったアリアは、可愛らしさと、優雅さ、可憐さを纏わせた所作でクルリと180度回った。
そして自身気な表情に、少しだけ挑発的な笑みを浮かべ、いつもとかわらない。堂々とした口調で言う。
「―――東京武偵校よ」
* * *
今から約三年前、レズリー含む高ランク武偵が一斉に裏切ったあの事件は、武偵史に残る汚点として、大々的に報じられる事は無かった。
その際に、捕縛に失敗したアリアとクルトも、特に処罰や責任を負う事もなかった。
そもそもに至り、この事件が表舞台から抹消され、極秘扱いになった時点で、アリア、クルト両名が任務を請け負った事自体が無かった事にされたのだ。
そして三年後の今、レズリー達が何故裏切ったのか。その目的は何なのか。その一切が分かって
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