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とある蛇の世界録
エピローグ 夢への誘い
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が滅びの魔力で攻撃しても、効果は見られない。それならばと、接近戦をしても返り討ちにされる。
 全く勝ち目が見えないのだ。

「弱い」

 そんな四人にたった一言、口に出す。

「ちくしょうが、強すぎんだろコイツ」
「勝ち目が見えませんね。困りました」

 そんな話し合いも、長くは続けられなかった。アンフィスバエナの攻撃に四方に散ることで避け、戦闘を再開した。

 一方グレモリー眷属の方も、たった一人の人間に対して苦戦を強いられていた。

「どうした? 悪魔はそんなものか?」

 それに言葉を返す余裕も無い。曹操の持っている槍を悪魔の本能が危険だと告げている。

 『黄昏の聖槍』
 かつてイエス・キリストを貫いたとされる『聖遺物』が元となっているらしい、神滅具の一つだ。並の悪魔ならば、この槍が放つ光だけで滅んでしまうほどの強さを持つ、最強の神滅具とされている。

「クソっ! 部長ッ!」
「イッセー、大丈夫よ」

 意志を高めあうグレモリー眷属に、アンフィスバエナと同じ台詞を告げる。

「弱いな。思わず殺してしまいそうだ」
「ッ!」

 悔しいが、反論は出来ない。守りに手一杯で攻撃が出来ない。さらに、少しずつ傷も目立ってきた。それに相手はおそらく本気ではないだろう。

「それでも――ッ」

 全員で頷きあい、攻撃を仕掛けようと意気込んだ瞬間だった。

 今まで感じていた、朧の固有結界『アジ・フロイライン』の力が消えたのだ。ちょうど、グレートレッドが朧を夢へといざなった頃の事だった。

「…………潮時か。ここは引くとしよう」
「ッ! 待ちなさい」

 それに聞く耳を持たずに、曹操はいつの間にか隣に居たアンフィスバエナと共に、霧に飲まれて消えていった。

 誰がどうみても惨敗だった。全員の雰囲気が暗くよどんだものになる。そんな中、一誠がリアスの近くに寄っていく。

「部長、俺強くなりますッ! 部長のこと護れるように、俺は最強の兵士になりますからッ!」

 それに目を見開き、そして笑顔で頷くリアス。

「えぇ。絶対に強くなるわよ、イッセー」



   □□□□□◆◆◆◆◆□□□□□



「起きてよッ! 朧ッ! ねぇ、朧ッ!」

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