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とある蛇の世界録
エピローグ 夢への誘い
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めまして、というべきかな。三勢力の長たちよ」

 突如リアスたちの前に現れた二人一組の少年少女。それに顔を引きつらせ、アザゼルが問う。

「おいおい、テロにしてはちんけじゃねぇかよ。『禍の団』」
「なに、今回は顔見せだよ。俺達の事を覚えていてほしくてね」

 そしてぐるりと部屋中を一瞥し、ニヤリと笑う。

「俺は『禍の団』英雄派のリーダー、曹操だ。そして――」

 曹操は、自らの隣にいる少女に目を向け言う。

「彼女は、アンフィスバエナ。かつて君たちが封印した『蛇』の一人だよ」
「なッ!」

 そう、彼女は数日前に朧が曹操に渡した『おまもり』に封印されていた『蛇』だ。
 アンフィスバエナ。彼女の事を朧はアンと呼んでいるが、それは余談だろう。はるか昔、三勢力が滅ぼしたメデューサの一族の血から生まれた蛇の化け物だった。

「先ほども言ったが、今回は顔見せだ。だから――」

 それは、突然の事だった。
 今まで静かだった少女アンフィスバエナが、最も近くに居たサーゼクスに襲い掛かったのだ。だが、その攻撃もグレイフィアに阻まれる。

「少し遊んでいこう。俺の相手は君たちだ」

 と、曹操が見たのはグレモリー眷族たちだった。

 二つの場所で、大きな戦いが二つ巻き起こった。



 オーフィスもマユも、満身創痍だった。立っていられるのがやっとの状態。それでも良くやった方だった。全力の朧を前にして、十分以上の戦いをしたのだから。それは善戦といっても良い。だが、勝つことは叶わなかった。

「あははは、最悪だね。これ」
「打つ手なし、まずい」

 朧が一歩一歩近寄ってくる。それに身構えた次の瞬間だった。


 ――突然、朧と二人の間に裂け目が生まれたのだ。

 
「えぇッ!?」
「…………!?」

 突如あらわれたそれ――次元の裂け目に驚く二人。
 オーフィスとマユの知っているうちでは、次元の狭間にいるのはたった一人だけだったのだから、驚くのも無理は無かった。
 
 その次元の裂け目から現れたのは、燃えるように真っ赤な髪をした美女だった。その女が手を振るうと、その手から真っ赤なもやのようなものが出現し、朧を覆った。
 それに抵抗する朧だったが、次第に静かになり、そして数秒後にはその場に倒れ伏した。

 その女は、オーフィスとマユのほうを振り向き、顔色を変えずに言う。

「オーフィス。何故こういう状況になった」
「それは難しい話、グレートレッド」

 こうして、この駒王学園には、世界最強の五人が揃い踏みとなったのだった。



 アザゼルとミカエルが、壁に叩きつけられた。アンフィスバエナは圧倒的な強さで、三勢力の長と最強の女王を翻弄していた。
 サーゼクス
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