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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十六話『新たな約束』
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修夜のキレのあるツッコミが教室に響き渡る。
それに引き付けられてか、段々と人が集まりだす。
「大体、飯時も過ぎたぐらいで弁当持ってくる奴がいるか、馬鹿!」
「馬鹿とは何よっ、育ち盛りなんだからこれぐらい余裕でしょ!?」
「そういう
当
(
あ
)
て
推量
(
ずいりょう
)
が周りの迷惑かけてんのを、お前こそ気付けよっ!」
そして、いつものようにヒートアップしていく。
「私がいつ、当て推量なんてしたのよ!?」
「やったじゃねぇか、今まで散々、修学旅行でバスに乗り遅れたときもだろっ!?」
「あっ、あれはホントに間に合うはずだったんだからっ!」
「そういうのを当て推量って言うんだよ、このすっとこどっこい!」
「ナニよっ、このむっつりスケベ!!」
「ぁんだと、コロポックル!?」
「なんですって!?」
「やんのかっ!?」
「いいわよっ、放課後のアリーナに予約入れておくから、そこでボコボコにしてあげるわ!」
「上等だっ、今度は『ソニック』で手も足も出ないうちに蜂の巣にしてやらぁ!!」
二人が啖呵とメンチが交差するなかで、一夏はそそくさと弁当をしまい、放課後のお楽しみにするのだった。
「やっぱり、二人とも仲が良いなぁ〜」
「「どこがだ(よ)っ!!」」
呑気な一夏に、二人がお決まりの一言を放つのだった。
それは一年と少し前まで、いつものようにあった、あの日あの時の情景である。
やっと少女の中で、あの時に外れた時計の歯車が噛み合い、時間を刻みはじめる。
一人じゃない。
ムカつくヤツもいるけど、あの地獄じゃ触れ得ない温かみがここにある。
今度こそ、掴み取ってみせる。
家族三人と、一夏と過ごす、幸せな未来を。
いつか、きっとこの約束を果たす、そう決心して――
――――
時を遡ること、三日前。
西日の射す校舎の最上階の一室で、三人の生徒が集まっていた。
部屋の内装は生徒たちの教室とは違い、高級な戸棚や調度品で揃えられた、一種の執務室のようだった。
その部屋で窓を背に、これもまた重厚な木造の事務机で、いかにも座り心地の良さそうな事務椅子の手すりに肘をかける女性が一人。
その隣には、直立で佇む別の女性がいた。
「以上の報告が、今回の騒動における事の顛末で〜す、【会長】」
タブレットを操作しながら、【報告】を済ませる一人の女子生徒……布仏本音。
二人の女性とは逆に、机を挟んで少し離れた位置に立っていた。
「なるほど、ね。収まるべき所に収まったというわけね、セシリアちゃんの時と同じように……」
それを聞き終えた【会長】と呼ばれた少女は、微笑を浮かべながらそう答える。
「やっぱり、興味深いわね、彼は……」
そう呟く彼女の心中は、溢れんばかりの好奇心で満たされていた。
僅か一月弱
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