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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十一話『雨』
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見せた。しかし鈴はそれとは真逆の、とにかく勢いで畳みかける荒々しい戦い方であり、それを我流で実戦向きに磨いたパワーファイトだ。
しかも一年という短期で昇華させたのだから恐れ入る。
「だから――、俺もそろそろ【マジで】いかせてもらうぜ」
強気なまなざしを宣言とともにより強くし、修夜は右手に握った実体振動剣を左手に持ち替え、空いた右手を横に伸ばす。
「シルフィー、レーザーブレード(デュアルクロー)だ!」
《了解だよ、マスター!》
訝しげに鈴が見つめる中、修夜は右手に【黄昏色のフレーム】を持ったレーザーブレードを顕現させ、掴み取る。
「……剣が一本増えたから、何なワケ?」
呆れ気味な声と視線を送る鈴に構うことなく、修夜は再び口を開いた。
「何もお前ばっかりが、二刀流じゃねぇんだよ。俺の四詠桜花流(しえいおうかりゅう)剣術もな、“二刀でこそ真髄を発揮する”剣技なんだよ」
右手のブレードが起動し、青白い光の刃を形成する。
修夜はそこからゆっくりと右手を脇に、左手を下段に構えて鈴を睨み返す。
「見せてやるよ、鈴。魑魅魍魎と摩訶不思議に抗うべく、人が人の限界を突破するために編み出した古代剣術の、本当の姿をな……!」
場を支配していた鈴の覇気に、修夜の放つ冴えた闘志が混ざり合っていく。
それに合わせるかのように、風の向きも修夜に対して追い風の方向となる。
少年剣士を包む雰囲気が、一気に様変わりしはじめる。
次の瞬間、修夜は左腕を右肩に挙げ、二つの刃を袈裟切りに振り抜いた。
「!?」
鈴は修夜の動作を見た瞬間、本能的に二刀を前方に構えて防御態勢になる。すると本来なら届くわけがない剣閃が、まるで間合いを無視して“飛んで”きたような衝撃となって、鈴の青龍刀を強く震わせた。
「なっ……」
突然の怪奇現象に戸惑う鈴に対し、その隙を逃さず修夜は突撃を仕掛ける。
(速いっ……!?)
そして今度は修夜が二刀での猛攻撃を開始する。
繰り出される一振一閃は、薄く鋭く研ぎ澄まされており、少女の剣とはまるきり真逆だった。
何より一撃の速度が尋常ではなく速く、そのうえ無駄に感じるものが一切ない。
力み、緩み、焦り、気遅れ……、剣を鈍らせるものが感じられず、どこまでも澄みきっている。
押していたはずの関係が、じりじりと平行に直され、修夜の方へと傾きはじめる。
「いい加減に……しなさいよっ!!」
焦った鈴は、とっさに空間圧縮砲「龍砲」を解放し、拡散モードで撃ち放つ。
空気を叩く轟音とともに修夜と距離をおくと、すかさず鈴は龍砲を連射モードに切り替えて牽制をはじめる。
「シルフィー、二挺マシンガン(ピアスクロー)!」
《任せて!》
修夜も最初の一撃を避けると、両手の剣を拡張領域(バススロット)に引っ込め、銃身の短い二挺の【青いフレーム】
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