暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十話『泣きだしそうな空の下で』
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見えてきた。
たとえば一夏と鈴で同じ状況になったとして、鈴が一夏に素直になるかと言えば、一夏の温厚な性格や押しの弱さを考えると、それは“ノー”である。しかし鈴と正面からぶつかり合い、一歩も引かない修夜ならば、鈴を本気にさせることが出来る彼ならば、頑なな鈴から何かを引き出せるかもしれない。
「凰は、修夜に心を開くだろうか……?」
「……信じましょう、修夜さんを」
箒の問いに、セシリアはただ静かに願いを込めながら、修夜の名を口にした。
『試合形式は1000ポイントマッチ、制限時間は40分の一本勝負です』
試合を告げるアナウンスが場内に響く。
一夏も、箒も、セシリアも、また本音や観戦者たちも皆、固唾を飲んでその瞬間を待つ。
『それでは両者、試合を開始してください』
試合開始のブザーが響く中、箒はフィールド上空で激突しようとする二人を見上げながら、ただ強く願った。
(修夜、負けるな……!)
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