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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十話『泣きだしそうな空の下で』
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出会うまでを支えてもいましたし、修夜さんはわたくしのボタンの掛け違いを直していただきました。そして一夏さんや本音さんたちからは、親交を深めながら時間を共有することの喜びを教えていただきました。……特に箒さん、あなたには本当に色々と感謝していますのよ?」
「……え?」
箒にとって、予想だにしない言葉が聞こえてきた。
「私に……?」
セシリアの思いがけない一言に、箒は思わず戸惑う。
「先日の無人機での戦いでは、箒さんの奮戦と閃きがなければ、さらなる苦戦は必至でした。その前にも、一夏さんの特訓中には、わたくしに格闘戦での剣捌きを教えて下さいましたし。それに、クラス代表決定戦の後のことでは、特に……」
それは修夜・一夏・セシリアが、1組のクラス代表の座を競って戦ったのちのことだ。翌日にセシリアはクラス中を巻き込んだことを詫び、頭を下げたことでクラスメイトからの誹謗や中傷は起きなかった。またその試合内容も、非難できるレベルの代物ではなく、むしろ観戦していたクラスの女子たち自身がそのレベルの高さに舌を巻いていた。
だがこれはあくまでも1組での話であり、それが他の三つのクラスに波及するには時間が必要だった。特にセシリアへの風当たりは一部で強く、ときとして容赦のない陰口が聞こえてくることもあった。
「他人に避難されてしかるべきことを、わたくしはおこない、その代償として当然の報いと思って、どんな非難も甘んじて受けようと思っていました。
 ……ですが箒さんは、そんなわたくしを見つけては手を引いて遠ざけてくださったり、ときに自分が非難されるのも構わずにわたくしを弁護してくださったではありませんか。わたくしは、あなたのそのおこないに、とても救われた気がしたのです」
思ってもみないことだった。
箒にとってセシリアが挙げたことは、箒には友人として当然の行動だった。彼女の役に立とうとも、まして恩を売ろうなど考えて行動を起こしたわけではなかった。
友として、人として、出来る行動を起こしただけのことだ。自分の友人を卑下されて、怒り心頭に発して抗議したまでのことだ。出過ぎた真似だとさえ思っていた。
「箒さんや修夜さんをはじめ、皆さんが何の迷いもなく、わたくしを一人の友人としてくれていることが、今のわたくしには大きな支えなんです。ですからわたくしにも、箒さんのことを支えさせて欲しいんです」
セシリアの言葉には、世辞も見栄もありはしなかった。
ただ友人であるという事実、その友を救いたいと思う気持ち。セシリアを動かす原動力を知り、改めて人を信じることで生まれる力の大きさを、箒は感じずにはいられなかった。
(友達……か……)
修夜たちと再会するまで、箒は諸事情から転校をひたすら繰り返し、まともな友人を作ることが出来なかった。出会っては別れてを、早ければ半月というサイク
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