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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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ものじゃないのか?
「なんかおかしくないか、それ?」
言わずにいれなかった。
「一夏、世界中のみんなが、僕らのようにISが好きなわけじゃないんだ」
拓海の言葉に、思わず俺は凍り付く。
「ISは、一歩間違えば核爆弾よりおっかない兵器になり得る。それが世界に467機、実機としてはその五分の三が稼働して、その二十倍近くの数の量産機が世界中で活動している。たった十年で、ISは世界の力関係をがらりと変えたんだ。それを、単純に喜ぶ人はいないだろうね。
だからISを目の上のたんこぶに考える人もいるし、ISのことを危険な兵器だと考えて、世界中の反IS団体がデモ活動をおこなっている」
淡々と語る拓海に対して、俺はショックを隠せなかった。
俺にとって、ISは千冬姉と一緒のあったものだった。それは俺にとって当たり前の常識で、世界で日々ISの話題で持ちきりなのも、世界がISを受け入れていると、それが“世界”なんだと思っていたからだ。
「もし今回の事件が知られれば、世間は大騒ぎになるさ。でもそれは単純な騒ぎじゃなくて、ISを嫌う人たちにISを世界から追いやってしまう口実を作るきっかけにもなる。『ろくに管理できない兵器を野放しにはできない』ってね……」
とんでもないどころじゃない、ものすごくスケールの大きなことだ。
今日の事件で起きた出来事が、そのままISの将来に繋がるなんて思ってもみなかった。
同時に世界が、IS巡ってそんなに激しく動いているってことも、俺の中にないものだった。
……なら俺と修夜が、世界で初めて男のIS適合者になったというのは、どれだけ世界をビックリさせたんだろうか?
俺は単純に、女の子だらけの学校に放り込まれたぐらいにしか考えてなかったけど……。よくよく考えれば、今までどうやっても女性しか使えなかったのを、男も使えるようになったのは、本当にすごいことなんじゃないか?
逆にいえば、そんな俺と修夜って世界から見たら、なんていうか“不思議な存在”……なんじゃないか?
そんなヤツが、一体どれだけのヤツかって考えたら、それを“解き明かしに来る連中”がいても、なにもおかしくないんじゃないか?
それって、【今日のこと】なんじゃないのか?
もしそうなら、今日の事件が世界に知れたら――
「俺と修夜は……どうなるんだろう……」
気がつけば、思ったことを口から漏らしていた。
「……一夏?」
修夜がすかさず質問してきた。ここは、正直にいってみよう。
「だってさぁ、今日の事件のことが世間に出たら、俺と修夜の生活って、もっと突拍子もないことになりそうでさ……」
今でさえ、世間から見ればとんでもないのかもしれない。
学校生活どころか、私生活まで女の子に囲まれた環境。同年代の男子が聞けば、飛び付きそうではあるけど、その実かなり肩身が狭い。俺は元か
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