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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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、修夜はがっくりとうなだれる。
気配りが上手いと、気苦労も多いよなぁ……。
「多分、今はいろいろと事情聴取されている最中だろうな。……事が事、だからよ」
「…………」
そりゃそうだ、学園中のみんなを巻き込んでの大事件だ。
そんな事件の中心で、俺たちは必死になって戦っていて、その原因の無人機と一番近くで接していたんだ。俺たちから訊きたいことは、山ほどあるだろうな。
よくよく考えてみると、とんでもないことに巻き込まれた気がするな、これ……。
とにかく、寝ぼけた頭で体を起して、何とか頭を働かそうとしてみる。
ん、待てよ……。『今は』?
「あれ、それじゃあ俺って、どんぐらい寝てたんだ?」
「ざっと【三時間】ぐらいかな……」
「…………ぇ」
マジで?
三時間も寝てたのか、あれから?!
「……あのなぁ、ホントならなぁ、“一発殴りたいんだよ”マジで……!」
「は……、はぁあっ!?」
いやいやいや、その理屈はおかしいだろ、修夜さんよぉ…!?
「当たり前だっ、死んだように倒れ込みやがって!
オマケにしばらく息も止まってたかと思ったら、高いびきで爆睡だぞ、必死に心配した俺の気分を返しやがれっ!!」
「えぇぇぇぇ………」
なにそれひどい。
怒鳴るだけ怒鳴ると、修夜はそのまま背中を向いてしまう。
背中を丸めて頬杖を突き、脚を開いて座って、いかにも不機嫌そうな感じだ。
確かに、アリーナの真ん中で倒れりゃ、心配だったろうし、そんなコントみたいなオチだったら、肩透かしで気が滅入るっていうのも、まぁ……でもなぁ……。
そんなことをもやもや考えていると、
「…………まぁ、無事で何よりだ」
修夜は、そうぶっきらぼうに呟いていた。
……ホントに迷惑かけちまったな。
考えてみれば、ここしばらく修夜には、迷惑をかけ倒している気がする。鍋のこと、訓練のこと、鈴との件のこと、それ以降に部屋割変更で一緒になってからのこと、今日のこと。……それ以前からも、俺は修夜に引っ張られっぱなしだ。
修夜の“幼馴染”でいるにしては、ちょっとこれは情けないかもしれない……。
「ごめん、ありがとな」
正直にそう言った。
「……おう」
また、ぶっきらぼうな返事が返ってきた。
「おや、お目覚めのようだね?」
不意に、右の方から聞き慣れた声が耳に入ってきた。
振り向くと、部屋の入口で声の主の拓海が立っていた。
いつもと変わらず、爽やか眼鏡ハンサムだなぁ、拓海は。
「おはよう一夏、調子の方はどうだい?」
「うん、だいぶ寝させてもらったみたいだから、気分はいいかな?」
俺のその返答に、拓海は「それはよかった」といつもの笑顔で頷いていた。
「お疲れ、拓海。何かわかったのか?」
「うん、まぁ色々とね」
修夜はいつの間にか体勢を元に戻し
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