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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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されているため、杭を打ち込んだ相手の装甲を、『ヴァンガードホーン』のときのように爆散せしめることができる。
殴り合える距離でなければ当たらないが、その一発は一撃必殺の切り札になり得る。
趣味的と言ってしまえば、それまでなんだけどな……。
「装甲ごとって……、危なくないのか……?!」
「一応、試合用にはセーフティーが掛かるから、相手の体を刺し貫くような危険は無いさ」
箒の心配はもっともだが、今回は状況が状況だっただけに、全力でいったまでだ。シルフィーも、その辺りを考えてセーフティーを一時的に外していたようだし。
「ホント、なんか“趣味全開”って感じの武器よね……」
「……いや、拓海の趣味だからな?」
俺も確かに、何だかんだ言いながらこういうのは好きなんだが……って、なんで俺は鈴のツッコミに言い訳してんだ。
「いや、カッコいいだろ、男のロマンだぜパイルバンカーは!」
お前も大好きだよな一夏、こういう“クサイ”武器……。
「ロマンも何も、当てに行かなきゃ意味がないじゃない。博打武器でしょ、こんなの……」
「分の悪い賭けに、勝ってみせるからこそのロマンさ……!」
「はぁ、あっそ……」
眩しい笑顔で熱弁をふるう一夏に、鈴も心配損をした顔でため息をついた。
一夏、なんでさっきまでといつもので、振り幅がこんなにでかいんだ。
さっきまでの調子でいてくれれば、こっちの負担は激減なのに……。
「まぁまぁ、なにはともあれ、全員で無事に生き残れましたわね」
そうセシリアが俺に声をかける。安心が見て取れる、自然な笑顔を浮かべていた。
「……そうだな、師匠のノルマも達成したし、あとは拓海のほうを待つか」
パイルバンカーの魅力を熱く語る一夏と、それを呆れながら聞く鈴、割と真面目に聞く箒、そしてさり気なくそこへ混じりに行くセシリアを見つつ、俺は大きく息を吐いた。
何はともあれ、一番の厄介事は取り除かれた。今はそれを正直に喜ぶべきだろう。
今日の一騒動があったことで、一夏の心境にも何か動きがあったことも、きっと大きな収穫になったに違いない。
「ひと段落ついたようじゃの」
みんなが固まっている方とは逆側から、師匠の声が聞こえてきた。
「……師匠の方も終わり?」
「まぁのぅ」
俺の問いに対し、軽い相づちと背後への視線で返答する白夜師匠。
……見ればその数十メートル先に、煙を上げる鉄屑の山が見えた。
あまりに見事な倒しっぷりに、もう何のリアクションも湧いてこなかった……。
「あ……、白夜先生」
俺と師匠のやり取りに気付いた箒が、俺に次いで師匠の帰還に気がついた。
それにつられるように、他の三人も師匠の帰還に気付く。
「お帰り先生、あの真っ黒野郎は……?」
一夏の問いかけに、俺は師匠に代わって無言で背後を指さしてみせる。
それに注
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