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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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……だからそのあいだに、一夏は一夏にできる努力をし続ければいいんだよ。慌てず騒がず、自分のできる範囲を自分の心や周りと相談しながら、少しずつ強くなっていけばいい。たとえこの先が真っ暗闇でも、それだけはきっとやめちゃいけないんだと思う」
できる努力を続ける――。
今の俺に出来る努力は、もっと白式をきっちり操縦できるようになること。それと拓海がくれた『六花』を、もっと上手く使いこなすこと。そしてこの二つを忘れないこと。
……そうだ、この先分からないことに頭を抱えていても、何にも変わらない。なら不安になっているあいだに、もっと自分を磨くしか、きっと自分を変えられる方法はない。
せっかく修夜も拓海も、箒も鈴もセシリアものほほんさんも、千冬姉に山田先生もいるんだ。みんなこんな俺に力を貸してくれる、そんなありがたい状態を、無視していいわけがない。
「……そうだな、せっかく俺にはみんながいるんだ。オロオロしているヒマなんてないよな」
無人機を操っていたヤツはムカつく、この先どうなるかもわからない。
それでも、俺は自分で決めた目標がある。叶えたい俺の、【夢】がある!
「そういうことだ。体調が戻ったら、またしっかりと訓練に励もうぜ」
「ははは、そうだな……」
一瞬、今まで以上のシゴキをやって来そうな言い方をした修夜に、俺は思わず苦笑いになった。
そこに――
――コンコン
小気味の良いノック音が部屋に響いた。
拓海が入室を促すと、そこには見慣れた姿の女の子が一人、少し真剣な顔で立っていた。
「……おはよ、一夏。気がついたんだ」
黄色いリボンの小柄な女の子、幼馴染の鈴だ。
でも鈴の雰囲気は、いつもの元気な感じとは違う、どこか硬い感じだった。
「修夜、ちょっといい……?」
台風はいよいよ、穏やかな“目”を抜けて、最後の暴風雨を起こそうとしていた。
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