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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十八話『鉄鋼砕く風獅子の牙』
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フィールド内――

五人は無人機に対し、突撃を仕掛けていた。
先頭を、低空で飛行する修夜が征く。
「シルフィー、短銃身マシンガン(ピアスクロー)だ!」
《オーケー、マスター!》
シルフィーによって、修夜の右手にあったリニアライフル<イーグルハンター>は改良領域に戻り、代わりに両手に銃身の前方が箱型に膨らんだ、片手用のマシンガンが装備される。
「まずはコイツを食らいなっ!!」
先攻を切った修夜は、二挺マシンガンで牽制しながら、鉄色の巨体に迫っていく。
『エアリオル=ソニック』にロックされたことを感知した無人機は、パターン通りに先行して回避行動に移り、蛇行しながら後退していく。
そして肩の砲門から、ビームの弾丸をばら撒き、修夜を攻撃しはじめる。
修夜もそのビームの雨あられを、器用に体を捻りながら、右に左にと回避していく。
撃てば避けられ、撃たれれば避け……。地上を滑りなから、青と黒の機体がダンスする。
背後のフェンスまで三十メートル。その位置で、無人機は左へずれて旋回の態勢入ろうとする。
「旋回は、阻止させていただきますわ!」
セシリアは集団の最後尾から飛び出すと、すばやく大型レーザーライフル<スターライトmkV>を構え、無人機の左肩を目がけて撃ち込む。
それを一寸手前で感知した無人機は、閃光が地面に刺さる直前に右に切り返した。
甲高い音と空を裂く閃光が、地面を滑る黒い足のそばに刺さる。
(狙いどおりですわ……!)
最初から当てるつもりは、セシリアには無い。進路を妨害するのが第一なのだ。
行動を妨げられ、進路を逆に切り替える無人機。
「だからといって、そちらにも行かせない!」
それを今度は、右から箒が切り込み、両肩の小型レーザー砲塔『螢火(けいか)』を連射する。
これも無人機は、軽快に滑りながら左へと避ける。
すると再びセシリアがレーザーを撃ち込み、右への進路炉を妨害。ならばと左にいけば、箒がビームで行く手を阻んだ。
後方フェンスまで、あと十五メートルほどを切る。
「はああぁぁぁあっ!!」
さらに鈴も突撃し、箒とセシリアに翻弄される無人機に、上から二刀を構えて飛びかかる。
振り下ろされる、分厚い二枚の刃。しかし間一髪で、局所バリアーシールドが刃を食い止め、ダメージを極限にまで抑える。
刃と赤い光の壁がぶつかり合い、妖しい光を放つ。
「もう一丁、食らっとけぇっ!!」
大声とともに、弾丸の様な加速で一夏が左の拳を振りかざし、巨体の胴体にぶつける。
一夏の左腕・特殊武装『六花(りっか)』の、金色のエネルギーをまとった痛烈な一撃が、鈴の防御にかまけていた無人機の胴体にクリーンヒット。鉄色の体は豪快にふっ飛び、後ろのフェンスの手前まで転がっていく。
「一夏、後ろに下がれ。一気に決めるぞ……!!」

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