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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十八話『鉄鋼砕く風獅子の牙』
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ト作である。
「何で……ナンプレなんかが……?」
真耶が困惑で独語する傍らで、拓海は黙ってコンソールに映るマス目を見つめ続ける。
適当にキーボードを叩いてみるものの、反応する気配は無い。
「相沢主任、どうするつもりだ……!?」
千冬の問いかけにも応じず、しばらく沈黙を続ける蹴る拓海だったが――
「……仕方ない、解きますか」
その言葉とともに、拓海は再びコンソールに手を伸ばす。
ところが、それを慌てて真耶が掴み、食い止めにかかった。
「ちょ……、ちょっと待って下さい。不用心すぎますよ!?」
「真耶の言うとおりだ。万一にこれがさらなる罠だったら、一体どうするつもりだ……!?」
不安と疑念の入り混じった視線で、拓海を見つめる二人。
拓海の手首を握る真耶の手にも、自然と力がこもる。
そんな二人を見た拓海は、一呼吸置いたあとに言葉を発しはじめる。
「……さっきから、自動解析アプリが完全に停止しているんですよ。
 つまり、通信妨害以外のアクシデントは、実質すべて解決済みなんです。
 ただこの段階で、こんなふざけたものが出てきたということは、その可能性は二つ。
 一つは、お二人のいう通りにこれが“罠”であるパターン。
 そしてもう一つは、これが“時限爆弾の解体作業における本番”というパターンです」
拓海に言葉に、美人教師二人は思わず顔を見合わせた。
「……つまり、何だ。今までの作業すべてが、このナンプレに辿り着くための前座なのか?」
「まぁ、後者を取るならば、おそらくは……」
千冬の回答にぼんやりと正解だといいつつ、拓海は言葉を続ける。
「こういうことをやる連中は、馬鹿を釣り上げて(わら)いものにしようとする根暗か、自分の仕掛けを相手がいかに突破するかを楽しむ“追求者”かのどっちかです」
「えっと、つまり……、この問題を解けるかどうか、試している……?」
「はい、その証拠に問題の右下に、タイマーらしきものも見えますし」
拓海の言葉を聞いた真耶は、言葉通りの場所に目をやる。
そこにははっきりと『10:00』という表示がなされており、まだ動いてはいない。
「要するに、相手はお前がこれを解けるか否かを、今ここで試していると……?」
「えぇ、おそらくは」
千冬に受け答えしていると、不意に画面上に『2:00』という数字が現れ、それがカウントダウンを開始する。
「ななな……何ですか、これ……?!」
慌てる真耶を尻目に、掴まれた方とは逆の手で、拓海は適当にコンソールを叩いてみた。
「どうやら、問題の回答時間が来ちゃったみたいですね……」
「まさか、本当に解く気か……?!」
「えぇ、それ以外に手は無いかと」
あくまで慎重に動くべきと考える千冬に対し、拓海は既に戦闘態勢に入る構えを見せる。
「さっきも言いましたが
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