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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十八話『鉄鋼砕く風獅子の牙』
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音と土煙を立てながら、真っ黒な金属の塊が転がってきたのだ。
それを見た一同は、目の前で隕石の落下に遭遇したような面持ちになる。
はじき出された無人機の片割れは、修夜たちの眼前三十メートルほどの位置で止まった。
「師匠も、ずいぶんと派手な
寄越
(
よこ
)
し方するじゃねえか……!」
強気に笑ってみせる修夜に対し、あとの四人は唖然とするばかりである。
だが、彼らが悠長に構えているあいだに、無人機はその巨体を起こし、対象の確認をはじめる。
不気味に光る四つの目が、五人の存在をじっくりと観察していく。
睨みあう一機と五人。
「いくぜ、一気に決めるぞ!!」
「おう!!」
「任せろ、修夜!」
「了解ですわ、修夜さん!」
「勝手に仕切らないでよっ!」
修夜たちは一斉に駆けだし、無人機へと突撃していった。
――――
第二アリーナ・Aモニタールーム――
「まったく、何がどうなっているのやら……」
粗方は奪回したはずのアリーナのシステムだったが、修夜たちとの連絡がついた途端、またしても
通信妨害
(
ジャミング
)
によって音信不通となった。
「なんで、一体どうして……!?」
「落ち着け、真耶……!」
予測不能の事態に、真耶はすっかり混乱し、見かねた千冬が彼女を叱咤する。
「倒したと思えば、もう二体。これも相手の計算の内なのか……!」
敵の周到さに悔しさを覚えながらも、千冬は気を静めて画面を見続ける。
「おそらく、ジャミングそのものは、あの
所属不明機
(
アンノウン
)
が原因の可能性が高いですね」
一方の拓海はというと、自分のコンソールを睨みながら、冷静に分析を続ける。
「修夜たちが一機目を破った瞬間に、通信妨害への権限の奪取がすんなり通りましたから、おそらく間違いなく……」
「ちょっと、主任さん……!!」
淡々と状況分析を続ける拓海に、真耶が慌てて待ったをかけた。
「心配じゃないんですか、皆さんのことっ……!?」
真耶のお人好しは筋金入りである。ゆえに、取り乱しもせず現状を考察する拓海に、一抹の不安の覚えて呼びとめてしまった。
「もちろん心配していますよ。だからこうして――」
「だったら、こう、もっとちゃんと心配してみるとか……!?」
若干、無茶苦茶な言い分だが、なかば混乱状態にある真耶には、むしろ親友を心配するそぶりを見せない拓海が、不思議でならないのだ。
それに対し、拓海は……クスリと笑った。
「大丈夫ですよ、修夜とみんななら乗り越えられる。そう“確信”できますから」
その声に、一切のよどみも躊躇もなかった。
「だから、僕は僕に出来ることを、全力でやるだけなんです。それが、この状況を打開できる、最善の方法だと思っています……!」
屈託なく微笑む眼鏡の少年に、真耶は目がくらむような感覚を覚える。
「
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