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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十八話『鉄鋼砕く風獅子の牙』
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手を内部からボロボロにしちまうんだとよ」
「な……内部……から……!?」
輻射波動とは、高い周波の電磁波を短いサイクルで直接照射する、電子兵器の一種である。
高められて一気に放出された電磁波は、物体の表層から内部へと侵入し、共振作用を起こして物体を内から膨張、外側からは振動させ、破裂させる。
要するに触れれば最後、高い電磁波兵器の耐性がない物体は、破裂した風船のように無残な姿と変わり果てるのだ。
「コイツに加えて、背中にバーニアはフルスロットルにすると、加速は『ソニック』を超えるレベルに一気に到達できるらしい」
「あ……、あれ以上速くなるとおっしゃるんですか……!?」
セシリアが驚くのも無理はない。『エアリオル=ソニック』は、追加加速で音速を突破するほどの速力を持つ形態であり、IS本来のコンセプトに最もよく沿った力を持つ。現行のISでも、速力と機動性では、トップクラスの性能を持つとされているのだ。
その速さを売りとする機体に優るともなれば、それこそロケットエンジン級のバケモノ動力を搭載していることになる。
IS開発史十年の歴史においても、そんな馬鹿げたISを実現させたことは無い。
「武装による重量、輻射波動の突撃槍、鬼の加速――。この三つが上手く当てはまれば、あの無人機だろうと、ひとたまりもないはずだ……!」
物体は、重い方が衝突の際により多くのエネルギーを生む。そこに超加速が加わればさらにエネルギーは高まり、駄目押しとばかりに輻射波動の洗礼が襲いかかる。
「待ちなさいよ、そんな博打みたいなこと、ホントにやる気……!?」
鈴がこれに異を唱え、非難の声を上げる。
「……こればかりは、凰さんに一理ありますわ。その攻撃は、成果が大きい半面、それ以上にリスクが大きすぎます!」
鈴の指摘に対し、セシリアもこれに助勢する。
「セシリア……!」
「箒さん、いくらPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)がすごくても、それが機動力に及ぼす力には限界がありますわ。
 それにPICを使えば、嫌でも速力は落ちてしまうものです。それでは、修夜さんの考える力は生まれません。
 修夜さんの考えている攻撃は、おそらくPICでの機動性を用いない、いわば“特別攻撃”なんでしょう……!」
「特別……、と……【特攻】……!?」
セシリアを抑えに入った箒は、逆にセシリアからの説明に驚愕した。
「でもそれは、あの巨体でよく動き回る無人機には、大きな賭けになる。
 そうですわよね、修夜さん……?」
「……あぁ、正解だ」
修夜はただ、セシリアの問いかけに短く答えて頷いた。
修夜のいう攻撃は、真っ正面から突撃を仕掛ける“弾丸特攻”だ。
そのためには一直線に加速し、最大の衝撃力をもって相手に突撃するという大博打になる。
図体に反して、小回りの利く
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