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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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まったく、面倒くせえヤツらだよ……」
あの場で修夜自身も、無理に付いていって戦うことは出来た。
だが、自身の機嫌の悪さに加え、鈴の不機嫌さが追加されると、自分と鈴はケンカをはじめてしまい、箒とセシリアの足を引っ張ることになってしまう。それを予見して、修夜は敢えて突き離すかたちで三人を送り出し、ついでにあのあとに一夏も制止していたのだ。
一夏が加わると、今度は箒と鈴がケンカをはじめて、収拾がつかなくなる。
機嫌を損ねながらも、修夜は自分と一夏があの場に加われば、変な混乱が生じることを感覚として察知していたようである。
〔そう言う意味でも、今回のMVPはセシリアになるのかな?〕
「む……?」
〔熱くなると突っ込み気味な箒にブレーキをかけて、跳ねっ返りな鈴を説得して……。
君の前だからと言って、変に張りきらずにサポートに徹し続けた、っていう意味ではね?〕
少し含みのある言い方をしつつ、マイク越しに拓海が笑みを浮かべているのが、修夜になんとなく想像がついた。
「なんでそこで、俺の名前が挙がるんだ……?」
〔まぁ、そんな返答とは思ってよ……〕
「……?」
何故か呆れられたことに、修夜は釈然としない心地になった。
「それより、そっちの進行具合はどうだ?」
ひとまず気持ちを切り替えようと、修夜は拓海に状況を尋ねる。
〔とりあえず、通信関連はひとしきりって感じかな。あとは一番防御の固い遮断シールドと、入口ゲートのドアロッ…を……す…け……〕
突然のことだった。
拓海からの通信は、先ほど一夏と鈴が体験した“音声の不調”へと変わった。
「おい、拓海……。おいっ……!?」
それ以降、コア・ネット通信から音声は再び失われた。
「なぁ、修夜。これって、俺がさっきの……!?」
慌てた様子で、一夏が修夜に問いかけてくる。
「落ち着け、一夏。俺にも分かっているさ……!」
再び五人の中で、ぼんやりとした不安が広がりはじめる。
その片隅で――
――ガシャリ
何か、金属がこすれる音が聞こえた気がした。
各々が意見を出して論議を交わし合う中、箒だけがその音に気がつく。
音は彼女の背後から響いた。
それを確かめるべく、箒はそっと自分の背後を振り返る。
「!?」
少女が目撃したのは、【倒したはずの無人機】が、上半身を起こして右腕のビーム砲を構える姿。
腕の砲門には、既に限界までビームがチャージされている。
「みんなっ、逃げろ、無人機が……?!」
箒がそう叫び、全員が無人機に注目した瞬間、ビームは最大出力で放たれた。
無人機はビームを撃つと、その負荷に耐えきれずに自壊し、今度こそ果てた。
修夜と一夏がが、一瞬のうちに行動を起こし、全員の前に立って盾になろうとする。
だが放たれたビームは、その速度で対応できるような遅さで
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