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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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「鈴……」
俯きながら迷う鈴を、一夏は不安げに見つめていた。
一時の、短く長い沈黙。
その末に、鈴は下げていた手で拳をつくり、声を出す。
「……ゎかったわよ」
風にさえ掻き消されそうな小さな声。
「わかったから……、やればいいんでしょ、そうよね……!」
二度目は、どこかで自分を言い聞かせようとする、そんな荒っぽく大きな返事だった。
「あぁ、やり方は問わないさ。好きなだけ暴れてくれ」
修夜の返事も、あっさりとしたものだった。
「よかった、鈴。やってくれる――」
「その代わり……!!」
鈴が前向きな意思を示したことを素直に喜ぶ一夏の声に、鈴の声が被さってきた。
「その代わり、これが終わったらあの夜の借り、すぐにでも返してもらうわよ……!」
ここに来て、鈴は修夜に自分の暴挙を一夏の前で暴露されたことを、引き合いに出してくる。
だがそれも、どこかとってつけたように、苦しい言い方だった。
それでも、他の三人からすれば理解に苦しむものであり、一様に険しい顔を鈴に向ける。
「……いいぜ。この際だ、これが終わったら、全部白黒つけようか」
いつもならこの態度を糾弾する修夜だが、それさえも今は“諾”とした。
後の三人は、ただ驚くばかりだ。
「他に異論はあるか?」
修夜は全員に、作戦への異議を問う。
皆、一様に沈黙でそれを返す。
「じゃあ、はじめるぜ。ぶっつけ本番の“電撃作戦”を……!!」
その声にやはり返答は無いく、ただ皆一様に、倒すべき敵に向き直り、表情を引き締めた。
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