暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
「鈴……」
俯きながら迷う鈴を、一夏は不安げに見つめていた。
一時の、短く長い沈黙。
その末に、鈴は下げていた手で拳をつくり、声を出す。
「……ゎかったわよ」
風にさえ掻き消されそうな小さな声。
「わかったから……、やればいいんでしょ、そうよね……!」
二度目は、どこかで自分を言い聞かせようとする、そんな荒っぽく大きな返事だった。
「あぁ、やり方は問わないさ。好きなだけ暴れてくれ」
修夜の返事も、あっさりとしたものだった。
「よかった、鈴。やってくれる――」
「その代わり……!!」
鈴が前向きな意思を示したことを素直に喜ぶ一夏の声に、鈴の声が被さってきた。
「その代わり、これが終わったらあの夜の借り、すぐにでも返してもらうわよ……!」
ここに来て、鈴は修夜に自分の暴挙を一夏の前で暴露されたことを、引き合いに出してくる。
だがそれも、どこかとってつけたように、苦しい言い方だった。
それでも、他の三人からすれば理解に苦しむものであり、一様に険しい顔を鈴に向ける。
「……いいぜ。この際だ、これが終わったら、全部白黒つけようか」
いつもならこの態度を糾弾する修夜だが、それさえも今は“諾”とした。
後の三人は、ただ驚くばかりだ。
「他に異論はあるか?」
修夜は全員に、作戦への異議を問う。
皆、一様に沈黙でそれを返す。

「じゃあ、はじめるぜ。ぶっつけ本番の“電撃作戦”を……!!」

その声にやはり返答は無いく、ただ皆一様に、倒すべき敵に向き直り、表情を引き締めた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ