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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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だろ、“格闘特化の重装型”の新装備のこと」
「……あ、あれ……ですか……?」
修夜は突撃作戦の前にシルフィから、『ASBLシステム』の“新装備”が追加されたことを、セシリアとともに知った。それは、拓海曰く“近接距における無敵の装備”であり、修夜が『斬奸突撃(ざんかんとつげき)の“烈風”』と称したもの。
「なになに、なんか秘密兵器でもあんの……?」
「まぁ、隠し玉にするつもりでもなかったが、使うタイミングを逃してしまってな……」
一夏が興味深そうに、修夜の話に耳を傾けはじめた。
「一言でいえば、一夏、お前の白式とコンセプトは同じ。
 “突っ込んで叩き潰す”っていう、一撃必中の“格闘バカ”な武装だ」
「ちょ……、いくらなんでも、ちょっとひどくね、その言い方……」
オブラートに包まない修夜の発言に、一夏はちょっと傷心になってしまう。
「でも、打撃一発の攻撃力なら、おそらく『エアリオル』でも“最強”の武装だ。
 そこに一夏の零落白夜が重なれば、たとえあの化け物でもひとたまりもないだろうさ……!」
強い確信を持っているのか、修夜の言葉は終始、力強いものだった。
「そんなに……なのか……?」
箒が、修夜の核心の所在を問いただす。
「実戦投入は今回が初めてだ。
 だけど拓海曰く、『下手すると競技用調整でも相手を重体にしかねない暴れ馬』らしい……」
自然と眉を寄せた修夜の言い方に、箒は思わず息を飲む。
相沢拓海という男は、飄々としてこそいるものの、仕事に関しては下手な冗談をいうような性格ではない。それを知る者からすれば、彼がそう言ったならば、その可能性は間違いなくあり得るのだ。
「ただ、この装備は“格闘戦特化”、つまり射撃で相手の隙を突くための兵装がほとんどない。
 だからこそ、みんなの協力が不可欠になる……!」
無人機は肩と腕のビーム砲を主軸とした、中距離からの射撃戦を得意とする。
また、見た目の大きさに反して機動力も高い。
これを格闘専用の武装だけで捉えるのは難しい話であり、動きを封じるためには、一定距離からさっきのよう複数人で狙い撃ちにし、釘付けにしてしまうのが最善だ。
「協力と言われましても、具体的には……?」
修夜の意見に対し、セシリアは不安な表情で問いただす。
「俺が思うに、ヤツはロックオンされれば最善の方向とタイミングで逃げるよう、プログラムされている可能性が高いと睨んでいる。
 ロックオンされれば、センサーで状況を判断して、撃たれるまでに最善の回避パターンを展開できるように、な……」
思い返せば、修夜の予測には的を射ているところがあった。
それは正確すぎる予測回避能力と、それ比べて鈍い格闘攻撃や非ロックオ式の射撃武器への反応だ。特に痛打が通ったときの状況は、一対多数でロックオン式を回避され続け、格闘
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